食品安全委員会では、妊娠を考えられている方や妊娠されている方と赤ちゃんのために、食品を安全に摂るために知っておいてほしい情報を発信しています。

 

 今回は、リステリアによる食中毒についてご紹介します。

 

 リステリアは河川や家畜の腸管など、自然界に広く分布しています。欧米では、ナチュラルチーズ、生ハム、スモークサーモンなどを原因としたリステリアによる集団食中毒が発生しています。日本では、2012年の厚生労働省の調査(院内感染対策サーベイランス)によると、年間当たりの患者数は約200人と推定されています。

 

 健康な人であれば、汚染菌数が少ない場合、たとえ感染しても症状が出ないことが多いです。しかし、妊娠中の方は感染しやすく、早産や流産の原因になったり、胎児に影響が出たりする例も見られます。

 

 妊娠中に避けた方がよい食べ物としては、未殺菌乳を使用し、容器包装後も加熱殺菌していないナチュラルチーズ、肉や魚のパテ、生ハム、スモークサーモンなどの加熱していない食品です。リステリア菌は、冷蔵庫の保管中にも菌がゆっくりと増殖します。妊娠中は、できるだけ加熱した食品を食べるよう心がけてください。

 

※この記事は、原則第4月曜日にご紹介しています。

 

(参考)

・食品安全委員会 微生物・ウイルス評価書「食品中のリステリア・モノサイトゲネス」

http://www.fsc.go.jp/fsciis/evaluationDocument/show/kya20120116331

 

・厚生労働省 「リステリアによる食中毒」

http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000055260.html

 

・食品安全委員会 お母さんになるあなたへ

http://www.fsc.go.jp/sonota/maternity/maternity.pdf