本日は、⑤「天然」「自然」「ナチュラル」などのうたい文句は「安全」を連想させますが、科学的には「安全」を意味するものではありません、というメッセージをご紹介します。

 

 私たちは、人工的につくられたものより天然物由来の方が安全というイメージを持ちがちです。しかし、キノコやふぐのように天然のものでも毒物を持っているものもたくさんあり、天然のものなら安全とは言えません。例えば、自然やナチュラルといったイメージのあるハーブを原料にした「健康食品」で重篤な肝障害を発症して肝移植に至った事例もあります。

 また、「健康食品」に用いられている植物などは、医薬品に使われている植物と違って、適切な管理をされていないものも多く、健康被害も起こっています。例えば、健康茶などの「健康食品」に、見た目の似ている植物の取り違えにより、アリストロキア酸という天然物に含まれている有害成分が入ってしまい、腎障害が引き起こされた事例が報告されています。

 

 人工的に作られたものより天然物由来の食品がより安全とは言えないことを覚えておいてください。

 

(参考)

・食品安全委員会 「健康食品」に関する情報

http://www.fsc.go.jp/osirase/kenkosyokuhin.html

 

・食品安全委員会 健康食品に関する危害情報について 

http://www.fsc.go.jp/kigai_jyoho/

 

・国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所 「健康食品」の安全性・有効性情報

https://hfnet.nih.go.jp/