食品安全委員会では、ウイルスや細菌などによる食中毒の情報を定期的に発信しています。
今回は、低温や塩分に強い菌、リステリアをご紹介します。
リステリア(Listeria monocytogenes、以下リステリア)は、自然界に広く分布しており、国内では、ウシやブタ等の腸内容物や健常者等の便、下水、と畜場等から検出されています。発育温度域は-0.4~45℃と広く、冷蔵庫内でも増殖します。他の細菌に比べて耐塩性が強いため、冷蔵庫での保管や、10%の食塩濃度の塩蔵でも、リステリア菌は増殖します。
リステリアの潜伏期間は、24時間から数週間と幅が広いです。健康な大人は無症状の場合が多いですが、妊婦(胎児)や高齢者などは、少量のリステリアでも重症化することがあるので特に注意が必要です。
発症した場合、インフルエンザ様症状を示すことが多く、38~39℃の発熱、頭痛、おう吐などの症状がでます。重症化すると敗血症、髄膜炎、意識障害や痙攣などの中枢神経症状を引き起こす場合もあります。
以下の予防のポイントは、家庭でできるものばかりですので、参考にしてください。
①生肉は、食べる用意ができている食品と接触させないようにし、よく加熱すること
②生野菜は、食べる前によく洗うこと
③生肉を扱った調理器具や手は、よく洗うこと
④生で食べたり、調理済みで再加熱をせずに食べる食品を冷蔵庫内に長期間保存しないこと
(参考)
食品安全委員会のウェブサイト「食の安全ダイヤルQ&A」
http://www.fsc.go.jp/dial/dialqa201703211.html
厚生労働省 リステリアによる食中毒
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000055260.html
厚生労働省 リステリア・モノサイトゲネスに関するQ&Aについて
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11130500-Shokuhinanzenbu/0000070322.pdf
厚生労働省 これからママになるあなたへ
http://www.mhlw.go.jp/topics/syokuchu/dl/ninpu.pdf