食品添加物の安全性

 

食品安全委員会では、食の安全ダイヤルにて、食の安全に関する皆さまからのご質問にお答えしています。お問い合わせの多いものの一つに、食品添加物の安全性を心配するものがあります。今回は、食品添加物についてのお話です。

 

■保存料や着色料などの食品添加物が多くの食品に使用されていますが、本当に安全なのでしょうか。(食の安全ダイヤルQ&A QIII-2)

 

食品添加物は、食品の製造過程において、着色、保存等の目的で食品に加えられるものであり、原則として「ヒトの健康を損なうおそれのない場合」として厚生労働大臣が指定するもの以外は使用が認められていません。
新しく指定される食品添加物については、食品安全委員会が一日摂取許容量(ADI) を設定するなどのリスク評価を行い、その結果に基づいて厚生労働省が食品添加物を指定し、食品添加物の成分規格、製造基準、保存基準等を設定しています。
また、現在使われている食品添加物には、このような食品安全委員会の審議を経て指定されたもののほかに、長年の食経験などから判断して認められているもの(既存添加物)もありますが、これらについては、厚生労働省において規格基準の設定や安全性試験が継続して行われています。

 

■食品添加物の一つ一つの安全性が確保されているとしても、様々な添加物を摂取することによる複合影響があるのではないでしょうか。(食の安全ダイヤルQ&A QIII-1)

 

食品安全委員会では、平成18年度に食品添加物の複合影響に関する情報収集調査(※)を行い、食品添加物の複合影響について国内外の文献を通じて科学的知見を収集・整理しました。その結果、多数の添加物が使用されていても、個々の食品添加物は安全性評価を経たうえで使用が認められており、それらを複合的に摂取しても、実際に健康影響が起こりうる可能性はきわめて低いと考えられるとの結論が得られています。現在使用が認められているもののように蓄積性がなく、ADIの考え方を基本として個別にリスク評価とリスク管理が行われている添加物は、その複合影響についても安全性が十分に確保されていると考えられます。

 

※食品添加物の複合影響に関する情報収集調査

http://www.fsc.go.jp/fsciis/survey/show/cho20070330001