実りの秋を迎え、周囲の植物に目を向ける機会も増えてきました。先日の記事では毒キノコによる食中毒を取り上げ、また、春には山菜採りなどで採取した有毒植物を誤食したことによる食中毒について注意喚起と予防方法のご紹介を行ってきました。しかし実際は、年間を通じて、有毒植物による食中毒事例が発生しています。どの季節にも、身近なところに、食べられる植物によく似た有毒植物があることを忘れてはいけません。

 

クワズイモ(別名:アロカシア)という観葉植物をご存知でしょうか。サトイモによく似た大きな葉が特徴ですが、名前の通り、食べられない有毒植物です。根にも葉にも、シュウ酸カルシウムの針状結晶を含むため、誤って食べると、麻痺、悪心、嘔吐、下痢などを、また、汁に触れたことによっても皮膚炎などの中毒症状を起こします。特に、夏から秋にかけては、青ズイキとも呼ばれるハスイモの葉柄(ハスガラ)と誤認して、クワズイモの葉柄を食べたことによる食中毒が毎年のように発生しています。

 

山野に自生する植物だけでなく、家庭の庭や菜園に生えていても、食べられると確実に判断できない植物は「採らない・食べない・売らない・人にあげない」ようにしましょう。

 

(参考)

知識があればこわくない!天然毒素(農林水産省)

http://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/foodpoisoning/naturaltoxin.html 

自然毒のリスクプロファイル クワズイモ 概要版(厚生労働省)

http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000075823.html

 自然毒のリスクプロファイル クワズイモ 詳細版(厚生労働省)

http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000075832.html