岐阜県は、高山市内のホテルを8月20日から24日にかけて利用した358人のうち104人が、8月21日から25日にかけて、腹痛、下痢、発熱などの食中毒症状を呈した事例について、複数の患者の検便からカンピロバクター属菌が検出されたことと、患者に共通する食事が、当該施設が調理した食品に限られることから、当該施設を原因とする食中毒と断定しました。なお、患者の中に入院した方はなく、いずれも快方に向かわれているとのことです。
カンピロバクターは、ニワトリやウシ、ブタ等の家畜・家きん類の腸管内に生息している細菌で、食肉(特に鶏肉)やレバー(鶏、豚)等の臓器を生や加熱が不十分な状態で食べたり、カンピロバクターに汚染された水を飲んだりすることにより感染します。
カンピロバクターに感染すると、比較的少ない菌数(数百個程度)でも腸炎を発症し、腹痛や発熱などの症状を起こします。
予防のキーポイントは「加熱」です。カンピロバクターは熱に弱く、「75℃以上で1分間以上の加熱」で容易に死滅しますので、肉を調理する際には、中心部の色が変わるのを目安に、十分に加熱するようにしましょう。
併せて、生肉等に触れた後の手洗いや調理器具の使い分け・消毒などで、二次汚染を防ぐ必要もあります。下の画像で、食中毒予防対策をご覧いただけますので、どうぞご活用ください。
(参考)
・岐阜県の報道発表:
・食中毒予防のポイント
http://www.fsc.go.jp/sonota/e1_campylo_chudoku_20160205.html