正しい知識でジャガイモによる食中毒を防ごう

~自家栽培したものは要注意~

 

春先から新ジャガイモが産地を変えて出回っています。3か月ほどで収穫できるジャガイモは、家庭菜園で栽培する方も多く、小学校の理科の授業で、種芋を植え付け、成長観察をした後、収穫したジャガイモを味わったことを思い出される方もいらっしゃることでしょう。

一年を通じて入手でき様々な料理に使われるジャガイモは、食卓に上る頻度の高い野菜のひとつですが、昔から「ジャガイモの芽は有毒なので食べないように」とも言われていますね。これは、ジャガイモの芽や日光に当たって緑色になった部分に含まれるソラニンやチャコニンに毒性があり、これらの成分を多く含むジャガイモを食べることで食中毒を起こすからなのです。

中毒症状は、おう吐、下痢、腹痛、めまい、動悸、耳鳴り、意識障害、けいれん、呼吸困難などです。早いときは数分後から、遅いときは数日後に発症することもあり、ひどい場合は、死に至ることもあります。

農家が生産した市販のジャガイモでは、食中毒を起こすほどの量のソラニン等が含まれていることは、まずありません。しかし、学校や家庭で栽培したジャガイモの場合、肥料不足で小さくて未熟なイモは、全体にソラニンやチャコニンを多く含んでいることがあります。また、土寄せ不足でジャガイモに光が当たったり、傷がついたりしても、これらの成分が増えます。ジャガイモを茹でてもソラニンやチャコニンは分解しないとの報告があります。近年のジャガイモによる食中毒の約9割が学校で発生しているとの情報があります。

このような食中毒を防ぐためには、調理時だけでなく、自家栽培をしている間や、ジャガイモの収穫時、保存時にも注意が必要です。以下の対策(画像をご覧下さい)を講じて、ジャガイモを安全に、美味しく楽しんでください。

 

(参考)ソラニン、チャコニンについての詳細は、下記サイトでご覧いただけます。

・農林水産省 食品中のソラニン、チャコニンに関する情報:http://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/solanine/