東京都は、江戸川区の中学校の生徒32名が発熱、腹痛等を呈した事例について、同区内の飲食店が提供した食事を原因とする食中毒と断定したことを発表しました。患者の共通食は当該飲食店における食事(七輪で焼いた内臓を含む肉類・野菜等)で、患者の検体からはカンピロバクターが検出され、患者の症状がカンピロバクターによるものと一致していました。

  カンピロバクターは、ニワトリやウシ、ブタ等の家畜・家きん類の腸管内に生息している細菌で、食肉(特に鶏肉)やレバー(鶏、豚)等の臓器を生や加熱が不十分な状態で食べたり、カンピロバクターに汚染された水を飲んだりすることにより人に感染します。

  カンピロバクターに感染すると、比較的少ない菌数(数百個程度)でも腹痛や発熱などの症状を起こします。

  予防のポイントはなんといっても「加熱」です。カンピロバクターは熱に弱く、「75℃以上で1分間以上の加熱」で容易に死滅しますので、肉を食べる時には、中心部の色が変わるのを目安に、よく加熱するようにしましょう。特に、バーベキューや焼き肉店等で、子供たちが自分で肉類を焼くような場合には、周囲の大人は、焼け具合や調理器具の使い分けなどに気を配るようにしましょう。

  下の画像で、食中毒予防対策をご覧いただけます。食中毒の原因は異なっても、基本的な予防対策には共通するものも多く、日常生活の中で習慣化することが大事です。

(参考)

・東京都福祉保健局の報道発表:

http://www.metro.tokyo.jp/tosei/hodohappyo/press/2017/06/22/19.html 

・食中毒予防のポイント

http://www.fsc.go.jp/sonota/e1_campylo_chudoku_20160205.html