イヌサフランを原因とする食中毒による死亡事例の発生が報告されました~有毒植物の誤食による食中毒に注意してください~

 

5月13日、北海道において、イヌサフランをギョウジャニンニクと誤って食べたことによる食中毒で、死亡事例が発生しました。

イヌサフランはユリ科の植物で、種子や鱗茎(※)に毒性成分であるアルカロイドのコルヒチンを含有し、誤って食べると、おう吐、下痢、皮膚の知覚減退、呼吸困難を起こします。重症の場合は、今般のように死亡することもあります。

イヌサフランの葉は開花後に出るため、春に、ギョウジャニンニクやギボウシ、山菜などとの誤食が起こります。観賞用の花壇と家庭菜園とは別に作り、一緒に植えないでください。

 

また、イヌサフランの他にも、毒素を持つ野草を誤って食べたことによる食中毒が、毎年発生しています。例えば、ニラと間違ってスイセンの葉を食べる事例や、ウルイと間違ってバイケイソウを食べてしまう事例が見受けられます。

食べられる野草かそうでないかは、素人では見分けることが難しいものが多いので、食用と確実に判断できないものは、採らない、食べない、人にあげないよう、十分注意してください。

 

※ 鱗茎(りんけい) たまねぎのように、厚い鱗片が重なって球形になったもの。鱗片に養分が貯えられ多肉になっている。

 

(参考)

○北海道庁

・富良野保健所管内における食中毒の発生について

http://www.pref.hokkaido.lg.jp/hf/kse/sho/iha/ihan170515.htm

○食品安全委員会

・食品安全委員会 ハザード概要シート イヌサフラン関連情報:

https://www.fsc.go.jp/sonota/hazard/kosyoku_6.pdf

○厚生労働省

・自然毒のリスクプロファイル:高等植物:イヌサフラン

http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000058791.html

○農林水産省

野菜・山菜とそれに似た有毒植物

http://www.maff.go.jp/j/syouan/nouan/rinsanbutsu/leaflet.html

知らない野草、山菜は採らない、食べない!

http://www.maff.go.jp/j/syouan/nouan/rinsanbutsu/natural_toxins.html

○消費者庁

・家庭菜園等における有毒植物による食中毒にご注意ください

http://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/release/pdf/160413kouhyou_1.pdf