3月30日、東京都足立区において、乳児に対し離乳食としてジュースに蜂蜜を混ぜて与えたことによる乳児ボツリヌス症による死亡事案が発生しました。このことを受けて、4月7日、厚生労働省は都道府県等へ対し、情報提供するとともに、改めて、1歳未満の乳児に蜂蜜を与えないよう関係事業者及び消費者に対し注意喚起を行うよう通知を発出しています。
≪参考≫
・厚生労働省ホームページ「蜂蜜を原因とする乳児ボツリヌス症による死亡事案について」

http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000161264.html
・東京都ホームページ「食中毒の発生について~1歳未満の乳児に蜂蜜を与えないでください~」
http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/hodo/saishin/pressshokuhin170407.html
生後1歳未満の乳児においては、腸管内でのボツリヌス菌の定着と増殖が起こりやすいとされます。ボツリヌス菌は、芽胞(がほう)(※)を形成しますが、この芽胞で汚染された食品を乳児が食べると、腸管内で発芽、増殖して、毒素を産出して乳児ボツリヌス症を発症することがあります。
症状は、便秘が数日間続き、全身の筋力低下、哺乳力の低下、泣き声が小さくなる。特に、顔面は無表情となり、頸部筋肉の弛緩により頭部を支えられなくなり、重症化すると、呼吸困難に陥って、死に至ることがあります。
乳児ボツリヌス症の予防方法は、1歳未満の乳児にはボツリヌス菌の芽胞で汚染されるおそれのある蜂蜜などの食品を与えないことです。
 ※  ボツリヌス菌などの特定の菌が作る細胞構造の一種。生育環境が増殖に適さなくなると菌体内に形成する。加熱や乾燥などの過酷な条件に対して強い抵抗力を持ち、発育に適した環境になると、栄養細胞となり再び増殖する。
 
≪参考≫
食品安全委員会;ファクトシート「ボツリヌス症」
食品安全委員会;「ボツリヌス菌による食中毒について」