1歳未満の乳児に蜂蜜を与えないでください

  ~乳児ボツリヌス症の発生が報告されました~

 

今年2月、都内で、はちみつが原因と推定される乳児ボツリヌス症が発生したことを受けて、東京都が注意喚起を行っています。
≪参考≫
東京都ホームページ「1歳未満の乳児に蜂蜜を与えないでください」 [PDF]

 

生後1歳未満の乳児においては、腸管内でのボツリヌス菌の定着と増殖が起こりやすいとされます。ボツリヌス菌は、芽胞(がほう)()を形成しますが、この芽胞で汚染された食品を乳児が食べると、腸管内で発芽、増殖して、毒素を産出して乳児ボツリヌス症が発症することがあります。
症状は、便秘が数日間続き、全身の筋力低下、哺乳力の低下、泣き声が小さくなる等、筋肉が弛緩することによる麻痺症状が特徴で、重症例では、呼吸困難になる場合があります。
乳児ボツリヌス症の予防方法としては、離乳前の乳児にはボツリヌス菌の芽胞で汚染されるおそれのある蜂蜜などの食品を与えることを避けることとされています。
なお、1987年(昭和62年)、厚生省(当時)は、1歳未満の乳児には蜂蜜を与えないようにする旨の通知を都道府県等へ出しています。

 

※  ボツリヌス菌などの特定の菌が作る細胞構造の一種。生育環境が増殖に適さなく
なると菌体内に形成する。加熱や乾燥などの過酷な条件に対して強い抵抗力を持ち、発育に適した環境になると、栄養細胞となり再び増殖する。

 

≪参考≫
食品安全委員会;ファクトシート「ボツリヌス症」 [PDF]
食品安全委員会;「ボツリヌス菌による食中毒について」 [PDF]