東京都立川市で、ノロウイルスを原因とする食中毒が発生しています。

 

東京都の発表では、患者は、同市小学校の児童、教職員521名で、おう吐、下痢、発熱等の症状を呈しました(東京都の多摩立川保健所の本日(2月24日)時点の調査結果)。原因食品は、立川市学校給食共同調理場が調理・提供した給食としております。
食品を取り扱う業者の皆様におかれましては、衛生管理の見直しを行い、衛生的な作業手順の徹底に努めていただきますようお願いします。
また、ご家庭においても、二次感染の予防に努めましょう。食品安全委員会からも「ノロウイルス食中毒に気を付けよう」と題してe-マガジンを配信しておりますので、是非ご一読ください。ご家庭でできる予防対策のポイントを紹介しています。【以下「抜粋」】

 

◆◆◆生活の中の食品安全 -ノロウイルス食中毒に気を付けよう- その2◆◆◆
(食品安全委員会e-マガジン【読み物版】 平成28年12月22日配信「抜粋」)

 

■ Q ■ ノロウイルスは感染しやすいと聞きますが、どうしてでしょうか。
◆ A ◆ ノロウイルスは、非常に小さなウイルスであり、また、少量のウイルスが口に入っただけでも感染するとされています。感染した人の手洗いが不十分だと手や指にノロウイルスが残り、それが食品などを汚染し、食中毒の原因となる場合があります。
また、患者は症状が治まってもしばらくの間ノロウイルスを便中に排出し続けます。感染しても症状がでない不顕性感染者もいます。ノロウイルスに感染している自覚がないまま、気付かないうちに食品や環境を汚染し、さらなる二次感染を起こしやすいことも問題となっています。

 

■ Q ■ ノロウイルス食中毒の予防対策について教えてください。
◆ A ◆ 予防対策のポイントは、
(1) 食品の加熱をしっかりと
(2) 手洗いの励行
(3) 煮沸や塩素による調理器具の消毒
の3点です。
これらの点について、下記を参考にしてください。
■加熱が必要な食品は、中心部(中心温度85~90℃で90秒間以上)までしっかり加熱する。
■食事の前やトイレの後などには、必ず石けんでよく手を洗う。
■熱湯や煮沸による消毒が可能なまな板、食器、ふきんなどは、熱湯、煮沸により消毒する。また、次亜塩素酸ナトリウム()(塩素濃度200ppm)で浸すように拭いて消毒することも有効。
■大量の調理をする施設の場合、下痢やおう吐などの症状がある従事者は、食品を直接取り扱う作業を行わない。
■患者は、症状が治まった後も1週間から1か月程度はウイルスを便中に排出するとされているので、感染を拡大させないよう注意します。この期間は、食品を直接取り扱うことは避けた方がよいでしょう。

 

※ 次亜塩素酸ナトリウム消毒液(塩素濃度200ppm)の作り方
市販の塩素系漂白剤(塩素濃度約5%)の場合、250倍希釈して作ります(例:5Lの水に漂白剤を20ml入れる)。なお、塩素系の漂白剤でなければ効果的な消毒はできません。漂白剤を使用する際は、使用方法を守り、塩素系のものと酸素系のものを混ぜたり、熱湯で使わない(消毒効果が低下します)ようにしましょう。

 

≪参考≫
・食品安全委員会;「食中毒予防のポイント ノロウイルスによる食中毒にご注意ください」 http://www.fsc.go.jp/sonota/e1_norovirus.html
・食品安全委員会;e-メールマガジン;「ノロウイルス食中毒に気を付けよう」
その1 https://www.fsc.go.jp/e-mailmagazine/mailmagazine_h28-12_r1.html
その2 https://www.fsc.go.jp/e-mailmagazine/mailmagazine_h28-12_r2.html
・厚生労働省;「食中毒の原因(細菌以外) ノロウイルス」
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/syokuchu/03.html
・国立感染症研究所感染症情報センター;「ノロウイルス感染症」

http://idsc.nih.go.jp/disease/norovirus/index.html