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内閣府 食品安全委員会e-マガジン【読み物版】

妊娠時に特に注意すること その2 平成28年1月29日配信
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Q1 妊婦や子どもは、日常の食生活に上乗せして大豆イソフラボンを健康食品などで摂取することは、やめた方がよいと聞きましたがどうなのですか?
Q2 魚には水銀が含まれていると聞きました。妊娠中は食べない方がいいのでしょうか?
Q3 トキソプラズマ症はどんな病気ですか?
Q4 妊娠中ですが、豚肉を生焼けで食べてしまいました。トキソプラズマにかかったのではないかととても心配です。どうしたらいいでしょう?
Q5 輸入チーズや生ハムが好きです。妊娠中は食べてはいけないでしょうか?


Q1 妊婦や子どもは、日常の食生活に上乗せして大豆イソフラボンを健康食品などで摂取することは、やめた方がよいと聞きましたがどうなのですか?
A1. 妊婦や子どもについては、どのくらいの量の大豆イソフラボンであれば健康への影響がないのか明らかになっていません。そのため、妊婦や子どもが日常の食生活で食べている「伝統的な大豆食品」に上乗せして健康食品などで大豆イソフラボンを摂取することはお勧めできません。
「伝統的な大豆食品」である豆腐、納豆、煮豆、みそなどについては、日常の食生活の中で他の食品とともにバランスよく食べることに気をつければ、心配する必要はありません。


Q2. 魚には水銀が含まれていると聞きました。妊娠中は食べない方がいいのでしょうか?
A2. メチル水銀は、魚種によって含有量が異なります。多いとされるマグロや金目鯛も、通常一食で食べる分量を週1回くらい食べる分には問題ありません。魚は、良質なたんぱく質や、健康に良い効果があると言われる不飽和脂肪酸などを多く含む食品です。魚ばかりを多量に食べないように気を付けて、魚食のメリットも活かしてください。


Q3. トキソプラズマ症はどんな病気ですか?
A3. 妊娠中に、胎盤を経て胎児が感染すると、流産や死産を引き起こす原因となるだけではなく、赤ちゃんに脳や眼の障害が生じる場合があるので、妊婦の方は注意が必要です。トキソプラズマに感染した豚肉を生又は加熱不十分な状態で食べた場合にも感染することがあるので、豚肉は、中心までしっかり加熱してください。


Q4. 妊娠中ですが、豚肉を生焼けで食べてしまいました。トキソプラズマにかかったのではないかととても心配です。どうしたらいいでしょう?
A4. 豚肉を何度も生で食べたりしない限り、日本国内ではあまり心配はありません。感染源としてはネコの糞も挙げられるので、糞尿を処理した後や土壌を触った後には注意が必要です。ご心配であれば、かかりつけの産婦人科医にご相談ください。


Q5. 輸入チーズや生ハムが好きです。妊娠中は食べてはいけないでしょうか?
A5. 欧米では、加熱処理していない生乳で作ったナチュラルチーズ、生ハム、スモークサーモンなどを原因としたリステリア菌による集団食中毒が発生しています。また、日本国内で販売されている乳製品や食肉加工品などからリステリア菌が検出されている例があります。なお、国産で生産された乳製品は殺菌された乳から作られているので安全です。
妊娠中の方が感染すると、風邪様症状といった比較的軽症で済むこともあります。しかし、胎盤を経て胎児が感染した場合には、早産や流・死産の原因になることがあるだけではなく、赤ちゃんに中枢神経症状を伴う髄膜炎や水頭症、精神・運動障害などがみられる場合もあります。これらの食品については、妊娠中は避けた方が無難です。


≪参考≫
・食品安全委員会 「健康食品」についての報告書及びメッセージ
http://www.fsc.go.jp/osirase/kenkosyokuhin.html
・食品安全委員会;お母さんになるあなたへ
https://www.fsc.go.jp/sonota/maternity/maternity.pdf
・厚生労働省;食中毒に関する情報:妊産婦の方への情報提供について
http://www.mhlw.go.jp/topics/syokuchu/06.html