公園を散歩していると、すっかり黄色くなったいちょうの木がありました。

ふと随分前に、実を拾ったことを思い出しました。

 

 

妻(当時彼女)が、焼いて塩振ったら美味しいから一緒に拾おうと言い、

せっせと落ちた実を拾ってました。

実際に拾った方はご存じだと思いますが、ぎんなんはとても強い臭いがします。

それをこらえてせっせと30粒位拾ったところで、

彼女が「なんかすごく臭いから捨てよう」と。

 

え?ただの思い付きで僕に拾わせたのか。

と思ったが、彼女の機嫌を損なわないように、木の根元に捨てました。

その数分後、どこかのおじいさんが僕の捨てた実を全部拾って持って帰りました。

 

そんなことを思い出していると、ふと「いちょう」と「ぎんなん」の漢字に思いを馳せました。

どちらも「銀杏」と書くんですよね。

同じ感じでありながら、全く読み方が違う。

しかも意味も違う。

「いちょう」は木を指し、「ぎんなん」は実を意味する。

随分とややこしいことをしたなあと思いつつも、この「銀杏」という字が不思議と好きなんですよね。

 

字面がいいというか、銀と杏の組み合わせもなんだか格好がいい。

理由は説明できないけど、バランスが絶妙にいいと思うんです。

しかも、二つの別々の読み方があるなんて、洒落ているじゃないですか。

 

そういえば、前に住んでいた江東区に「銀杏」という美味しい蕎麦屋があったなぁ。

今もやっているのかな。