自分の友人、知人、取引先など

過去に出会った人物の中、

最もコミュ力が高く、遊びも仕事も天才だった奴。

そんな人間が鬱になるなどとても信じられなかった。

癌治療からの回復と共に良くなるだろうと勝手に思っていたのだが、

なかなか良くなっていない様子だった。

 

調べてみると感患者の10~20%が鬱になるという。

癌を告知された人は大なり小なり「死」を意識するからかもしれない。

かく言う自分も残りの人生を強く意識し、考えさせられたものだ。

 

彼の場合、食道がんの切除という身体に負担の大きな手術だったためか、

「自律神経が異常だ」と言っていた。

朝起きてからの頭痛に始まり、動機息切れ、ちょっとした音へのいら立ちetc.

と、メンタルというより、肉体的な辛さも大きかったらしい。

食堂のかなりな部分を切除し、

胃とつなげるという消化器系の手術の中では最も難しい手術。

肉体的負担が大きいため、自律神経に異常をきたしても不思議ではない。

その辛い状況の中、私の癌治療に関するアドバイスをしてくれ、

そして妻の大腸がんのアドバイスもしてくれた。

 

手術から半年近くたった頃、

妻の病院選びを相談しようと連絡した時、

「抗鬱剤なんて全然効かないし、もう絶対治らない。

俺、このままじゃもう生きていられないよ」

と最も恐れていた言葉を耳にした。

そんな彼に何もしてあげられないどころか、

かける言葉も見つからない。

「やめてくれよ、そんなこと言うの」とつい本心を口にしてしまったが、

その後、何を言ってあげればいいのかわからなかった。

 

そして慌てて彼の妻に連絡をした。

彼の妻とも学生時代からの友人だったのだが、

「もうまるっきり別人なの、テレビの音なんか最小にしないとダメなのよ。

今日もベランダに出てうろうろしてたから

”そんなところから飛び降りたら、孫たちがショック受けるから絶対やめて!”

と言っといたから大丈夫だと思うわ」と。

彼の自宅はいわゆるタワマンなのだ。

正直、それで思い止まるとは思わなかったのだが...

※画像は生成AIで作成したイメージです