(飛行機からの日の出)

歳下ビーチボーイ@ギリメノ島
最近、毎日電話がくる。
Eについて書くのに、
Eのことを考える時間が増えたからかな?
恐るべし、野生のカン…

※今日は少し性的な描写があるので、
苦手な方はスルーしてください。


2週間の滞在期間はあっという間に過ぎて
バリに戻る前日のこと。
恒例のサヨナラパーティ。
Dの家族とスタッフたちと一緒に
まずは夕食を食べる。

そのあと
お世話になったスタッフ達に
ビールを2ケースくらい振る舞った。
そのお礼にと
ジントニックにウォッカコーラ…
大量に作ってくれて
みんなでワイワイ飲んだくれ。

ギターと太鼓を持ってきて
即席ライブが始まり…
それに飽きたら
音楽を大音量でかけて即席のクラブ状態…
途中、他の観光客も混ざったり…
息子が大好きな
16連発の花火を打ち上げたり…
焚き火をしてその周りで
静かに乾杯したり…

22時を過ぎた頃、
前にDのカフェで働いていて
今は隣のヴィラで働いている男の子が
飲み過ぎで吐き出した。
何度もカフェの裏の草原に行っては
戻しているっぽい。
そのうち、
ガゼボで寝始めたけど
あまり調子が良くなさそう。
空いているヴィラのベッドで寝かそうと
Dが鍵を開けに行った。
キョロキョロ「歩ける?」
ショボーン「フラフラするから、支えて」
キョロキョロ「わかった」
Dが鍵を開けて電気をつけているのが
見えたので、そこに連れて行く。
「水を持って来るから
寝かせたら戻ってこい」
そう言うとDはカフェに戻って行った。

キョロキョロ「ついたよ。とりあえず横になって。
Dが水を持ってくるから」
そう言って手を離そうとしたら
逆に引っ張られて、ベッドに押し倒された。
怖い…でもDが戻ってくるはず…
抵抗するけど…
酔っ払い君は力の加減ができないのか
すごい力で手を押さえてくる。
「ずっと好きだったんだ」
そう言って顔が近づいてくる。
う…怖い…
このまま最後までされちゃうのかな…
抵抗したら殺されちゃうかな…
瞬時に色んな思いが頭を巡る。

その時…
プールにつながるドアの方から
誰かが怒鳴りながら入ってきた。
酔っ払い君から私を引き剥がし、
酔っ払い君をプールにつき落とした。
一瞬のことでよく分からなかった…

助かったんだ…
安堵感が少しずつ湧いてきた。

助けてくれた人が近づいてきて
ハグをしながら「大丈夫?」と聞いてくる。
来てくれたのはEだった。
Dに言われて水を持ってきたら
押し倒す影が見えて、
慌てて入ってきたらしい。

ムキー「優しさにつけ込んで
怖い思いさせるなんて許せない」
そう言ってプールに突き落としたと
話してくれた。
しばらくハグをしながら
優しく髪を撫でてくれる。

ニコ「どうする?戻る?」
ショボーン「どうしよう…」
ニコ「お前のサヨナラパーティだしな。
まぁ、みんなもだいぶ飲んでるし、
このまま部屋に戻っても大丈夫だよ」
ショボーン「うん…」
ニコ「じゃあ荷物持ってきてやるから、
部屋で待ってて」
キョロキョロ「え…ヤダ。
今は一人になるの怖い。
やっぱり少し飲みに行く」
ニコ「その方がいい。
またアイツが戻ってくるかもしれないし」
ショボーン「うん…」
爆笑「でも
プールに入ってびしょ濡れだから、
しばらく戻ってこないと思うよ」
ショボーン「うん…」
カフェはまだ賑やかで
強張ってた気持ちが緩んできた。
Eは時々周りを見回ってくれた。

キョロキョロ「そろそろ帰る」
ニコ「送る」
私のヴィラの前まで送ってくれた。
その時、
不意にEが走って木の影を見に行った。
逃げて行く影が見えた。

ニコ「俺、外の椅子で寝る」
ショボーン「外?部屋の床にする?」
ニコ「部屋のベッドが1番いい」
ショボーン「そんなの息子が見たら、激怒する」
ニコ「そうだよね。外のベンチでタバコ吸うから、まず部屋に入りな」

私はドアの鍵を閉めて部屋に戻った。
息子はゲームをしていた。
キョロキョロ「外にベンチに人がいるよ?」
ショボーン「訳あって、
Eがボディガードしてくれてる」
キョロキョロ「わかった。お菓子あげてくる」
息子がポテチを渡して一緒に食べていた。
二人が楽しそうにしているのを見て
私の心は少しほぐれた。
私は顔を洗って、着替えて横になった。

長くなったので、続きは次回。