あの日わたしは、
1人で生きていくと、決めた。
恨みにも似た、覚悟だった。
わたしの中で、1人で生きていくと言うことは、誰かに頼るということ。
両親でも兄弟でもなく、赤の他人を少し、信じるということ。
わたしは今まで20数年間、家族も、ましてや自分さえも信じずに生きてきたんだ。
恋人だってそう。
いつも笑って、信じてるふりをして。
愛してるふりをして。
自分でも、それがふりだなんて、その時は気づかないんだけれど。
別れた時はいつも、ほらね、と思ってる。
それから少しずつ、わかったんだよ。
わたしが旅に出る理由。
だれも知らないところへ。
大好きなギターを持って。
旅に出るときは必ず、自分を信じたくなったとき。
初めて出会うその人は、シンプルなことを思い出させてくれる。
初めて見る景色に抱く、シンプルな感動に、気づくことがたくさんある。
他人の優しさに触れるたび、少し、じゃなくて、すごく、家族への悲しみも湧いてくる。
毎回、喜びの涙のように、悲しみの涙が出てしまう。
だけど、それでいい。
それでもいい。
自分を信じて、他人を少し、信じていく。
1人で生きていくと、決めたんだ。

