8月末に家に帰って来た頃は
ノースリーブのタンクトップと
UNIQLOのリラコといった服装で
過ごしていた、あーちゃん。

段々と寒くなってくきた10月頃には
カーディガンやパーカーを羽織る様に
用意していた。

一二度は着ていたところを見たけれど
ほとんどタンクトップとテロテロのリラコ


パーカー着たら?
とか
カーディガンは?
と、言っても

あーちゃんは
「大丈夫〜大丈夫〜」

寒くないんやろか?
と、疑問に思っては、上着を羽織る様に言っても
相変わらず
「大丈夫〜大丈夫〜」
だった。


そのうち冷えで体温計で計れないくらい低体温になってたり
手足はびっくりするくらい冷たかった

その日、訪看さんが
「あきなちゃん、上着着ると重い?」
と、聞くと
「うん。パーカー着るとしんどい」

ガリガリに痩せてしまった身体には
パーカーは首に負担がかかるし
カーディガンですら重いのだ

気づかなかったし想像も予測も出来なかった
あーちゃんも気づいてなかったんだと思う。

すぐにUNIQLOに行って
ウルトラライトダウンを買った

その日から、あーちゃんは上着を着る様になった。

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USJに行く時は
UNIQLOの極暖ヒートテックの長袖はシャツを
買ってきたけど
あーちゃんは着る事が出来なかった
腕が上がらなくて袖を通す事が出来なかったのだ

どうしよう
11月の中旬に下着がタンクトップでは寒すぎる

とっさにハサミで前を切って
たまたまあったスナップボタンを取り付けた

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なんとか極暖を着てUSJに行けた。

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表情筋も衰えて
表情も乏しくなる

口元が緩んで
ヨダレが垂れる


それでも
あーちゃんは

お母さん、写真撮って
って、シワだらけの顔でニコッと笑ってみせた


その写メを見て
「あーちゃん、ガイコツみたいやな」
って、弱々しく笑った




私は元気な時のあーちゃんを
思い出せなくて

家に帰って来た3ヶ月間のあーちゃんだけしか
思い出せない

特に仕事から帰って
部屋入った時のあーちゃん

横を向いて
「やっと帰って来たぁ〜」
って、ニヤッと笑った。

あの時のあーちゃんの嬉しそうな顔は
28歳の大人の女性ではなく
小さな女の子のようだった


ひとつずつできない事が増えて
誰かの手を借りないと出来ない

多分子供に戻らないと、そんな現実を
受け入れられなかったんだと思う



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(あーちゃんの親友が描いてくれた、あーちゃんとあーちゃんの大好きなもの)







あーちゃん
会いたいよ