キヤノン非正規労働者組合執行委員長 阿久津真一


私がキヤノンで働き始めたのは、2000年9月でした。偽装請負に気づき、組合に加入し労働局に告発をしてから6年2ヶ月、解雇されてから3年4ヶ月、私たちにとっては長い闘いでした。

また、上部団体を持たない小さな組合にとって、キヤノンは本当に大きな相手でした。

しかし、非正規労働者が作った、そんな小さな組合でも、多くの労働者の皆さんと連帯し、あきらめずに闘った結果、キヤノンの横暴を跳ね返すことができました。

この勝利は、ご支援をいただいた全ての皆さんと共に勝ち取った勝利です。

長い間のご支援、本当にありがとうございました。


私たちは、キヤノンの職場で働く請負会社の非正規労働者でした。その私たちが、キヤノンに実質的な雇用主としての責任を認めさせ、キヤノン関連会社の正社員になることが出来たのは、職場の違法を知り、首になってもいいと勇気を持って立ち上がり、組合を作り闘ってきたからです。

組合を作った後、キヤノンは組合差別や不当労働行為を繰り返し、闘いは拡大・長期化していきました。

多くの仲間が組合を、そして職場を去って行きました。わずかに残った組合員も解雇されました。

しかし、あきらめる事無く、裁判所と労働委員会の両方でキヤノンに迫り、傍聴、総行動、署名、株主総会と粘り強い運動によってキヤノンを追い詰めました。

そしてキヤノンに「争いが長期化するのはお互いに無益であるから和解した」と言わしめました。

この解決は、違法を告発し、闘ったものが救済されるという多くの非正規争議を励ますものであり、違法な職場でも泣き寝入りせざるを得ない非正規労働者の労働者としての権利を取り戻すものになりました。


そして、私たちの解決の前にソニー労組の仲間勝利があったように、今回の勝利解決を他の非正規争議のさらに高い水準につなげ、夢も希望も無い残酷な非正規労働をなくし、安心して働ける社会を作るために頑張りたいと思います。