久しぶりの更新となります。


 2008年の12月、東京都労働委員会に対して、キヤノンが行った偽装請負を議題とした団体交渉の拒否、組合事務所の貸与を認めない、組合のチェックオフを行わない、不誠実な団体交渉を繰り返す、といった数々の不当労働行為の救済を求めて、早くも1年が経過しました。

 約1年かけて行われた、東京都労働委員会における調査も山場にきており、春先には会社側、組合側それぞれ審問が行われる運びとなりそうです。

 審問には、偽装請負という法律に違反する働かせ方を強いられた組合員が、自分の言葉で発言をします。


 また、会社側の証人も発言する事になるでしょう。

 悪質な偽装請負を行って、巨額の利益をあげ、高額な役員報酬や株主報酬を支払う一方、立場の弱い非正規労働者は、解雇され、職が見つからず、不安な日々を過ごしている。

 このような現実がある中で、会社側の証人はどのような発言をするのでしょうか。

 労働委員会の審問は、一般に公開されます。どなたでも傍聴する事が可能です。

 キヤノンで働く皆様をはじめ、一般消費者の皆様もぜひ労働委員会での審問の際には、東京都庁にお出かけ下さい。日程が決まりましたら、お知らせします。


 なお、東京都労働委員会の不当労働行為事件と並行して、私たちは東京地裁に地位確認と慰謝料を求め、キヤノンを提訴しています。

 今週、第4回目の期日が入っています。

 こちらも、一般の方の傍聴が可能です。

 毎回、会社側と会社側代理人が参加しています。

 会社がどのような対応をしているのかご覧下さい。

 また、提訴している組合員が現在どのような活動をしているか、ぜひ直接ご覧になっていただき、ご支援ください。


日時 2010年2月25日(木) 16時30分~

キヤノン宇都宮偽装請負事件訴訟

東京地裁 606号法廷にて

問い合わせ・連絡先 090-1765-3479


また、裁判終了後、弁護士会館にて報告会を行う予定です。

時間は、17時~を予定しています。

こちらも、どなたでも参加可能です。

問い合わせ・連絡先 090-1765-3479



パナソニックプラズマディスプレイ偽装請負事件 最高裁判所が下した不当な判決について



キヤノン非正規労働者組合-IMG_0878.jpg



キヤノン非正規労働者組合-IMG_3658.jpg



キヤノン非正規労働者組合-IMG_0073.jpg




偽装請負を内部告発する非正規ネットのメンバーとして、ともに闘っているパナソニックプラズマディスプレイ偽装請負事件に対する最高裁判所の判決が、12月18日に言い渡されました。

ご存じの方も多数おられると思いますが、最高裁判所は吉岡さんとの間に雇用関係が成立していることを認めませんでした。


キヤノン非正規労働者組合-IMG_8930.jpg



以下、吉岡さんのブログより。


 パナソニックPDP偽装請負争議で闘っている吉岡力です。昨年は本当に多くの方々に応援・支援していただきました。ありがとうございます。
 12月18日に最高裁が「雇い止めは不法行為だが、その雇い止めは有効である」という社会的な常識があるのかどうか疑いたくなるような不当な判決を下しましたが、社会的な常識が欠落している裁判官がそう判断しただけの話ですので落ち込まないで下さい。
 皆さんの思いを散々に踏みにじった最高裁に対しては「わかっているのか!最高裁!お前たちのやった事がどういう意味を持っているのか。わかっているのか」と私の方から叱り飛ばしておきました。
 12月18日の最高裁判決ですが、不法行為を容認するものであり、また人権というものを全く無視したものでありますので、断じて許すことができません。他の裁判にも悪影響を与える判決でもありますので、今回の最高裁の判断を人権問題として私は国際社会に訴えていきます。これからの私の取り組みや活動を通して、労働者派遣という奴隷制度をなくしていく大きな力になればと思っております。労働者派遣という奴隷制度をなくしていく闘いはこれからが本番です。私は落ち込むどころか逆に怒りの導火線に火がつき、パナソニックPDPが不法行為である雇い止めを撤回するまで徹底的に闘う決意をさらに強くしています。吉岡力は「勝つまで」闘います。今年も精一杯闘っていきますのでよろしくお願いいたします。


パナソニック側は、これで安心しているのでしょうか。

悪いですが、こんな事でヘコたれる吉岡力さんではありません。

上記の言葉通り、今後は世界的に訴えていく運動になるでしょう。運動がさらに拡大していく道が残りました。

ピンチはチャンスです。偽装請負や違法派遣で提訴している当事者は、不当判決が出たからといって、まったく動じていません。キヤノン非正規労働者組合も同様です。むしろ、団結や連帯力が深まっています。




キヤノン非正規労働者組合-IMG_7923.jpg



キヤノン非正規労働者組合-IMG_7709.jpg



キヤノン非正規労働者組合-IMG_8165.jpg



キヤノン非正規労働者組合-IMG_4440.jpg



キヤノン非正規労働者組合-IMG_0073.jpg



キヤノン非正規労働者組合-IMG_6807.jpg



違法な働かせ方を容認した最高裁判所。

こんな司法判断がされていいのでしょうか。

労働者のみなさん、それでいいのでしょうか。

他人事と思わずに、いつか自分の身にも降りかかる問題と捉えて考えてみて下さい。

正社員の人は、自分の近くにいる非正規労働者がどのような気持ちで働いているか考えてみて下さい。

非正規労働者の人は、正社員の人がどんな働き方をさせられているか、チェックしてみて下さい。

正規・非正規を問わず、誰もが平等で安心して働ける、安心して生活出来る社会をつくりましょう。



佐藤昌子さんが正社員でパナソニック電工の職場に復帰!


長年、パナソニック電工で派遣労働者として働いてきた佐藤昌子さんが、解雇された事件。

職場復帰という形で、解決することが出来ました。

この知らせを聞いて、本当に嬉しかったです。

労働争議は、金銭解決では何の意味もないからです。

闘いを継続している時の佐藤さんの発言の言葉、胸に迫るものばかりでした。

それだけ、自分の仕事・労働、そして自分の人生に価値と誇りを持って生きてきたのだと思います。



和解成立にあたって
2009年12月25日

パナソニック電工派遣切り裁判 原告 佐藤 昌子



 一番に訴えたいのは、雇用のあてもなく、社会保障も十分でないままに職を奪われるということは、労働者にとって生活崩壊を意味し、さらに人間としての存在否定をも意味するということです。
 大企業をはじめ多くの企業が派遣労働者を使い捨てて首をきっています。それらの企業はなんの責任も問われていません。企業は社会の中で活動する以上その社会的責任も問われるべきです。
 派遣先にも、派遣元にも明確な雇用責任が存在しない、雇用主がいないに等しい派遣労働者の首を切ることに誰も痛みを感じません。
 この1年法廷闘争を取り組む中で、伊予銀行裁判や松下プラズマ裁判など私と同じような裁判の最高裁判決を聞いて、誰もが生活と命を守るための裁判に訴えたにもかかわらず、法理論だけが取り上げられて、人の命がどこにも見えてこないことに強い憤りを感じてきました。
 人の命以上に大事な法律など存在しません。人の命を守れない法律は、それ自体が間違っています。
 私は和解という形で職場復帰しますが、全国の派遣をはじめとする非正規労働者は、あれほど社会問題になったにもかかわらず、いまだに苦しみの中にいます。
 私の職場復帰という勝利和解が、パナソニックPDPの吉岡さんをはじめ全国で60あまり起きている同様の争議の早期解決・職場復帰につながる事を切に望みます。
 今、派遣法改正が論議されていますが、専門という言い訳で26業務は除外されており、法の抜け道となることは明らかです。新しい政府には、労働者保護に実効ある派遣法の抜本改正と社会保障の充実を求めます。
 私は、この1年間の行動の中で、そもそも「派遣労働」というものの存在自体が間違っていると強く感じています。
  私は、「派遣労働」そのものの廃絶のために今後も行動していく覚悟です。
 すべてのみなさん。ご支援ありがとうございました。


佐藤さんは、ご自身の経験もあるので、今後も色々な形で労働者の権利向上の運動を続けてくれるでしょう。


本当におめでとうございます。





キヤノン非正規労働者組合-IMG_8930.jpg


キヤノン非正規労働者組合-IMG_3658.jpg