朝日新聞より 2009年2月10日19時41分


 キヤノンの大規模工場建設プロジェクトに絡む脱税事件で、大手ゼネコン「鹿島」(東京)から受け取った裏金などの所得約9億7600万円を隠し、法人税約2億9200万円を脱税したとして、東京地検特捜部は10日、大分市の内装工事会社「ライトブラック」(LB)社長の大賀規久容疑者(65)ら7人を法人税法違反の疑いで逮捕した。

 大賀社長は、キヤノンの御手洗冨士夫会長の知人として活動し、キヤノン関係の工事をあっせんした謝礼の趣旨で鹿島などから裏金を受け取っていたと言う。特捜部は不透明な資金の流れなど全容解明をめざす。

 特捜部の調べでは、大賀社長らは、鹿島などから受け取った裏金を所得として申告しなかったり、架空経費の計上などで申告所得を圧縮したりする手法で、06年5月期までの2年間にLBの法人所得約9億7600万円を隠し、約2億9200万円を脱税した疑い。

 大賀社長は、自分が経営するLBとコンサルタント会社「大光」(大分市)、建設会社「匠」(東京都千代田区)の3社で総額約30億円の所得を隠していたとされる。

 特捜部は、裏金工作の受け皿を用意していたコンサルタント会社(大阪市)の社長難波英雄容疑者(61)ら5人も9日に法人税法違反容疑で逮捕している