一昨日、某番組でたまたま

2004年アテネオリンピックの男子体操の有名な演技を見ました。

伸身の新月面が描く放物線は栄光への架け橋

でピタリと着地を決め、団体優勝を決めた、冨田洋之選手の鉄棒です。

すでに引退していますが、私、この人の大ファンですドキドキ

放送を見たらスイッチが入ってしまい、過去にタイムスリップしました。


実は、2004年の優勝のときは、連日ひっぱりだこの選手たちを見て

(ちょうど今のなでしこジャパンサッカーの選手のように)

「優勝したからって周りが騒ぎすぎじゃないの?そっとしといてあげればいいのに。」

と冷ややかな視線で見ていました。

本当のファンになったのは、2008年北京オリンピック個人戦の

つり輪の後からでした。 

見るのもつらい場面ですが、つり輪での落下はこちらの動画で

競技の続行は不可能と思われるほど、ひどい落ち方をしたのに

首をアイシングしながらも、その後の跳馬も平行棒をほぼ完璧にこなし

最終種目の鉄棒も完璧でした。 一連の演技はこちらの動画で

執念というか、気迫というか

最悪と思える状況の中で、理想とする美しい体操を最後まで貫いた姿勢に

魂を揺さぶられました恋の矢


冨田さんは、すごい技でも簡単そうにやってみせることを心がけていたそうです。

すごい技をすごそうにやって見せるようでは、まだまだ。

素人に「なんだか自分にもできそう」と思わせるくらい

ひょいとやって見せる、そんな体操をめざしていたそうです。


憎いですねえ。。。

私も人生をそんなふうに歩んでいきたいものです。

声高に自分の存在を主張したり、こむずかしい言い回しで人生を語ってみたり

そんなことをやっているうちは、まだまだ、み・じゅ・く音譜

影でどんなに努力を重ねていても、そんなことはおくびにも出さず

涼しい顔で歩いて行けたらいいのに。


ポツリポツリとぎこちない口調で語る冨田さんを見ながら

そんなことを願った自分を思い出しました。


10月の43回世界体操競技選手権東京大会 、開催はもうすぐです。

冨田さんの志した美しい体操を受け継いで、若い選手たちも育っています。