二人がけのシートで隣に座った女性が

ちょっと動くたびに肩やひじを接触してきて

接触のたびに何か言いたげにこちらを見ます。


え?私に気がある?

わけはないっ!

「ちょっとアナタ、ぶつかってるわよ。」

という視線でしたから。


とても細身の人なのに不思議に思い

横目でこっそり観察したら

その人は荷物を体の横(私と反対側)に置いていて

そのぶん体がこちら側にずれこんで

あきらかにシートの境界線より

こちら側にはみ出していました。


あんたのせいや!

と確信した私は

意地でもゆずるもんかと思い

シートの境界線いっぱいまで

肩とひじをはり出し(もともと肩幅広いし)

接触のたびに

あら?どうしてぶつかったのかしら?

という顔をして

シートの境界線を上から下まで見て

こちら側にはみ出ている肩やひじをしげしげとながめ

どやっ!!

という顔でお隣さんを見つめ返しました。


電車を降りるまで根気よくそれを続け

決してゆずらなかった私は


大人気ないと思います。


だってどうしてもゆずる気になれなかったんだもん。