ストレイトやハリーに学ぶ。 | small planet

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日々の散文。
もしくは 独り言。

かつて、ハリーとトントの
『ハリー』も ストレイトストリーの『ストレイト』も『老人』にしかわかり得ない感覚で
映画の中で生き抜いていた。

どちらも私の好きな映画。

今夜 二人の老人について
思いを巡らす。

ストレイトは 映画の中で
旅の若いバイク乗り達に質問される。

ストレイトは 答える。

『若かった自分を覚えているのがつらい。』

監督のデビッドリンチが考えた台詞であるが 何故か私は このシーンが胸に残った。
冒頭のシーンで 遠方に住んでいる弟に会いに行こうとしたストレイトは 娘の心配をよそに
オンボロのトラクターであぜ道を走るのだが 途中で故障してしまい走れなくなり途方にくれる。そんな彼に悪戯するみたいに真夏の風は かれの帽子を草原に舞あげる。彼は 帽子を必死に押さえようとするが くたびれた彼の身体は 自然にさえも翻弄される。

だからこそ その台詞がのちに
際だって聞こえる。

私の知る老人は 一人は
目が見えず 一人は 記憶をとどめておけず 不安と孤独を友人にしてしまった。

今 彼らが渇望していることはなんなのかと私は 想像する。

あくまでも 想像だから確信はないし責任などとれない。

ただ ハリーやストレイトは
与えられることを嫌がった。
老いているからこそ
自分の力を試し 自分のやり方で生きようとした。

そこから ヒントを得てみようと思う。

私の知っている二人の老人が
もう一度 自分のために
生きられるように。