『Errorless Learning』
エラー(失敗)レス(より少ない)ラーニング(学習)
はい、...文字通り。
教え方をちょっとだけ工夫してあげることで
なるべく犬に失敗体験をさせずに学習させる方法です。
(全くの失敗なしということではありません。)
なぜ、この方法が犬に効果的かというと...
私たちは通常、試行錯誤しながら
失敗からも多くのことを学びますが
それは、
「なぜ、失敗したのか?」
「どこを間違えたのか?」
と思考し、正しい答えを導き出す高度な脳機能をもっているからこそ
失敗から学べるわけですね。
それに対して犬の場合は
失敗したことの方が潜在記憶に残りやすいので
同じ過ちを何度も繰り返してしまうとか
場合によっては、修正せずにその状況を単に避けるように
なってしまう可能性もあります。
から
では、ここで卓上シェーピングゲーム(PORTL)をしながら
アポロにエラーレス学習で”ある行動”を教える動画を
ノーカット(6:30)でご紹介します。
※ノーカットですので、動画の途中で画面のブレや雑音、
ものを落とすという失態ありですがご了承ください。
その、ある行動とは「緑の駒を口で持ち上げ容器に入れる」です。
これをエラーレス学習でシェーピング(行動形成)していきます。
ちなみに、アポロは過去にこの駒や容器と関わったことがありません。
何をするのが正解なのかも知りません。
この状態から、アポロは言葉による合図や指示なく
どのようにゴール行動にたどり着くのでしょうか?
そのプロセスをご覧ください。
なるべく失敗をさせないために私がした環境マネージメント(工夫)と
およそのステップはこちら。
(0:15)
アポロの過去の学習経験からサイコロの方が「口で咥える」確率が高いと判断。はじめから駒は使わず、まずはサイコロを使って口を使う行動を促す。
テーブルの高さ、そして卓上マットの色とサイコロ・駒の色のコントラストを考える。同色系だとわかりづらい。
(2:06)
手を差し出して駒を手のひらに落とす行動を促す。
(2:46)
容器を手のひらで持って駒を受け取る
(3:25)
容器を指ではさみテーブルの上に置く
(4:37)
テーブルの上に置いたアポロの前足が邪魔なので、報酬を与える際にトリーツを椅子の上に転がして自然な感じでリセット。プロセスの途中で私からの余計な動作や言葉を挟まない。
(4:45)
駒を容器から離して置くことで、私の容器を置く時間をかせぐ。
(5:40)
駒が上手く入らないことで、アポロが少し困惑。すぐにステップを戻して容器を手で固定する。
(5:49)
提示する駒と容器に若干の時差をつくることで、駒に行きやすくする
結局、ゴール行動にたどり着くまでに掛かった時間は約6分。
悪くないですよね。
Good Job アポロ!!