あなたは完璧主義ですか?

それともほど遠い?

 

私はかつて完璧主義でした。

いえ、言い直します。

完璧主義を目指していました。

 

でも、年を取るにつれ

それは、やめました。

 

なぜかって?

完璧主義なんて

絶対になれないから。

 

 

今、そうやって

頑張っていた

過去の自分を

振り返ると

笑ってしまいます。

 

私の祖父はとにかく

細かく厳しい人でした。

自分に厳しく

他人に厳しい。

 

だから、私は

用意周到、

重箱の隅をつつかれても

大丈夫なように

常に先を考え

極力自分の中では

最大限に

完璧になるように

やってきました。

 

これをなぜやったかというと

ガタガタ言われたくない

怒られたくない

という一心から。

 

そして、歯医者になってから

その完璧主義に

拍車がかかったのです。

 

仕事を極めるために

120%で臨みました。

 

そんな私を横で見ていた父は

彼もまた歯科医師であったけれど

「所詮我々ができる仕事は

 完璧なんて無理なんだよ。」

と言っていました。

 

当時の私は

「なんて怠慢な!」

「あ~あ、年は取りたくないね」

と思ったものです。

 

でも、今になって

「なるほど。」

と大いに納得できるのです。

 

 

歯科医師はある意味

職人の仕事です。

 

しかし、いわゆる町工場の

匠といわれる技術屋さんと違うのは

人間相手ということです。

 

だから、どんなに

完璧に歯を削ったり

素晴らしい差し歯を入れても

その後、患者さんが

歯磨きをしなかったり

メインテナンスに

いらっしゃらなかったら

ダメになってしまうことも

当然あります。

 

長年経験を積んできた父や

他の諸先輩達も

だからこそ

“ほどほど”ということを

言ったのでしょう。

 

これは「手を抜いている」

ということではありません。

(誤解のないように....医療従事者は常にベストを尽くして完璧を目指しています)

 

どんなに完璧ににやっても

結果として

完璧にはできない

ならないという事。

 

その時その時で

状況は変化するし

相手があってのことだから。

 

そうなると

何をもって

どの視点で

「完璧」というのでしょう?

 

 

よく小さい子供が

レゴ遊びをしていて

「できた!完璧だ!」

などと嬉しそうに言います。

 

大人から見ると

フフフ、と笑えることもあり

「そうだね、

 5歳にしてはよくできたね。」

なのだと思うのです。

 

だから、どんなに

自分で完璧だと

思っても

他の視点や

違うステージで見てみると

完璧とは決して言えない

ということでは?

 

そこに気が付くと

完璧さを目指しても

そうなっていないというとで

「謙虚さ」が

出てくるのだと思います。

 

また、完璧主義者は

時として周囲を

苦しめてしまいます。

 

自分だけでそれを

目指している場合は

まだいいけれど、

周りもそうなっていないと

苛立ちを覚え

文句を言ってしまったり

ということにもなります。

 

確かに完璧になされるべき仕事が

あるのは分かっています。

 

乗客を乗せた航空機は

確実に安全に

目的地に到着しなければ

なりません。

当然ですね。

 

でも、全てのプロセス

また、他の人々やスタッフと

一緒にその工程(行程)を行う時

 

完璧主義をあまりにも

唱えてしまえば

誰も怖がって協力は

しなくなってしまうでしょう。

 

人間関係がぎくしゃくして

最終的には

自分が一番

大変な思いを

することになるのでは?

 

 

だから、私は

どうせ、完璧主義をうたっても

所詮無理だから

もうやりません。

 

小さな所で完璧主義を

目指しても

全体像として

とらえると

大した話ではなくなってしまう。

 

もちろん、完璧を目指すな

と言っているのではありません。

 

ベストを尽くして

完璧に近くなるように

パフォーマンスを上げる、
こういう積み重ねが

素晴らしい結果につながるのは

重々分かっています。

 

でも、完璧主義を目指すばかりに

自分も周囲も苦しめ

周囲との調和を忘れては

意味がないのではないでしょうか。

 

そもそも

完璧主義を目指している

あなたの人生は

今、完璧ですか?

 

スポーツも

芸術も

仕事も

子育ても

肩の力を抜いて

楽しみながら

やる方が

パフォーマンスが上がり

良い結果に

つながるのだと思います。

 

完璧主義。

そう思っているあなた

ちょっと視点を

変えてみませんか?