おもいでの1991 | ヒビヲツヅル

おもいでの1991

遅く起きた朝

何気なく立ち寄った地元の図書館で

ぼんやりと棚を眺めていると

マチの児童作文集が目にとまる



1991年

当時10才
小学校4年生の自分が書いた読書感想文がそこにあった。








込み上げる懐かしさと恥ずかしさ

文章の短さ

そして漢字の少なさ

マジ小4の作文?

大丈夫?

なにこのオチの微妙なメルヘン




よく選ばれたなぁ…

しみじみ思うにつれ恥ずかしさが肥大していく。

隣のページには片思いだった女の子の作文が載っている

カチッとまとまった頭の良さげな文章だ。
漢字の使い方なんかも1年や2年は優に飛び級しているようにも見える

優等生の彼女は私立の中学に進学し

以来今まで二人の人生は一度も交わったことがない


高嶺の花に恋をしていたいじめられっ子を想像してはまた恥ずかしくなる。


あの頃の自分は今の姿を見てなにを言うだろうか

「太ったね」と冷たく突き放すかもしれない





至極ごもっともだ

グーの拳を頭頂部に振り下ろしてやろうかこの野郎


少しだけ頑張ろう と思った。
もう少し
あと少し

あの頃の自分に胸を張って会えるように
ほんの少し
ほんのりと勇気が湧いてきた。