「一所懸命に勉強しているのに、どうして合格しないのか」

こういう悩みを抱えている人は多いと思います。



かく言う私も、社労士試験には1回落ちてます。


何のリサーチもせず、ただ独学は面倒だし職場から近くて人気があるからという理由で予備校の通学講座に申し込んだものの、本業が忙しく、授業は受けっぱなしで復習はほとんどやってませんでした。

実際の仕事が社労士の業務に結構重なっていたために、授業も聴いただけで分かった気になっていた訳です。

しかし、いざ本試験を受けてみると、午後の択一はぎりぎり及第点(しかもまぐれで当たったものを含めて)でしたが、午前の選択式の健康保険法で足切りに遭い、結局不合格でした。


そこで、受験に対する考え方を転換しようと思い、きちんとした勉強法を身につけようと、いろんな書籍を当たりました。

どれも抽象的な精神論や小手先のテクニック論に終始する中で、司法試験受験界で有名な柴田孝之氏永山在浩氏の著書 を読んで、大変な感銘を受け、受験にあたっての心構えと方法論を学びました。

つまり、資格試験というのは、答案に「自分がしたいこと」を自分都合で盛り込むのではなく、「相手がしてほしいこと」に的確に応えるという、実務家としての素養を問う試験だということです。

司法試験は論文がありますのでそれが顕著に表れますが、マークシート方式の社労士試験もそれは共通していると思います。選択肢を検討する過程で、自分が身につけている知識を何が何でも反映させようとして主観を強めてしまうと、問われていることが分からなくなって混乱し、時間の浪費を招いてしまいます。ですから、問題文を素直に読んで、問われていること(=相手がしてほしいこと)に素直に応えることが、返って解答時間の短縮につながる上に正答率も上がるのです。

では、実務経験がそこそこあった自分がなぜ落ちたか。それは、試験で聞いているのが飽くまで法律の基本的知識であって自分が経験で身につけた実務上での例外的な対処法ではないことに気づかなかったことが大きいと思います。

このことを肝に銘じて、以前書いたような方法で勉強し直したところ、翌年受けた2回目の試験で合格しました。



勉強の努力が報われないという方は、まず意識を変えてみて、その努力の方向性が正しいのかどうかを検討してみると、活路が見えてくると思います。