帰省してから日にちはあっという間に過ぎて行き、もう今日が帰省最終日となる。
こっちに来ている間は高校に戻ったようで
ノスタルジーを感じる毎日だった。
その中でもいつも頭の片隅にはこの先どうするか悩む自分がいて、
それをどう打ち明ければいいか分からずにいる自分がいて、
どうしようもないモヤモヤがずっとそこにいた。
それを言おうか言わないか
上手く言えるか言えないかでもたもたするうちにとうとう最終日になってしまったのだ。
昨日はそれで眠れずにアップルの新製品発表会を観て、
夜更かししたせいで起きたのは11時過ぎだった。
昼食を済ませて部屋に戻り
荷造りをしようとしたところで
コンコンっ、とドアがノックされ
父が部屋を訪れた。
父は何かを察していただのだろうか。
最初は明日乗る飛行機の便の連絡事項から、
また運転の練習するの忘れちゃったねなどと他愛のないことを話した。
そして父のほうから、
私の抱えていた不安を語りかけてくれたのだった。
就職のこと。
生きるということ。
初めて聞く父の仕事の話や、
経験したこと。
大切なものは何かを。
年齢としては世間一般ではもう大人として扱われるのに
まだまだ、いや、
どんなに年を取ろうと親の前では子供なのだと実感したのであった。
父が話しかけてくれたことで、
この先どうしようか悩んでどうしようもなかった思いが次々とでてきた。
決してお世辞にも上手く話せたとは言えないが父は最後まで聞いてくれた。
それがびっくりするほどうれしくて、
またもっと早く、自分から話せば良かったとも後悔した。
否定されると思っていた業界さえも
父から先に「例えばの話、おまえのこういうとこを活かせば、その業界でも上手くできる。だから黙り込んでいないで何か話したいことがあれば話なさい。何事も前向きに考えることが大事なのだよ。」と話してくれたのだ。
今までにも父には助けられたことがあったが、実際たくさん関わるようになったのは高校からだった。
それまでは仕事で忙しい父とは月に1度か2度会うほどで、あまり記憶がなかった。
だからこうやってちゃんと話すことはまだ数える程しかなかった。
でも話せてよかった。
父の話が聞けてよかった。
私の話を聞いてくれてよかった。
一緒に過ごした記憶が少なくても小さい私のヒーローだった父は、今も変わらず私の尊敬するヒーローのままだった。
結果としてはまだ何をやりたいかははっきりしていない。しかし父と話したことで以前よりはるかにもこれからの方向性のヒントとなるものがみえていた。
雲がすっきり晴れていて気分も良い。
卒業するまでまだ2年。
しぼりこめるには十分な時間だ。
無駄にせず確実に残りある時間を大切にしていきたい、そう思える日となり私の帰省は終わりをむかえた。