5月31日(2025)SSTR当日
「今の空ならバイクでも大丈夫だね」
「でも、今日は確実に降るみたいだから・・・」
SSTRのゴール地点の千里浜へ向かうため
私は深ぴーさんの運転する車に乗っていました
SSTRにエントリーしている
師匠のゴールするところを見届けたい
けれど
初回の抗がん剤を打った身体で
自宅から千里浜まで運転し
待機してゴールを見届け
その後、宿泊する砺波まで移動する
果たして今の私に出来るのだろうか?
当初
体調の変化が不安だったので千里浜は諦めて
宿へ直行しようと思ったのですが
通り道だからと
深ぴーさんに送迎してもらえることになり
千里浜へ行ける事になりました![]()
深ぴーさん、ありがとうございます
しばし走って
順調に千里浜に到着
時刻はお昼
そこでとうとう
ポツポツと雨が降り出しました
わかってはいたけど、ついに降ってきた![]()
師匠・・・
この日、師匠は天候やらスケジュールの都合で
同時に2つのラリーをこなして
千里浜でゴールという状況でした
※師匠のその時のブログ↓
金曜の夜に栃木から徳島へ入り
早朝から出発してポイントを取りつつ
SEFRをこなし石川を目指す
気力、体力が無いと大変なミッション
でも師匠なら、絶対やり遂げるはず!
核心はあったのですが
ただ、この日は雨予報
どのライダーも最終的には
雨雲を目指して突っ込んでくることになる![]()
かなり嫌な感じの空模様
泣き出しそうな灰色の空の下
師匠の到着を待ちます
この日は思ったより寒くて
風邪をひけない私は
ジーンズの下にはレギンス
お腹にはカイロと薄手の腹巻と
冷え対策していました
抗がん剤で抵抗力の落ちた状態で
風邪をひくわけにはいかないのです
「肺炎だけは避けたいからね」
薬剤師さんと親友の志麻に言われていました
肺炎・・・
それを聞いた時に私の脳裏に映ったのは
昭和を代表する美しい女優さんの姿でした
夏目雅子さん
綺麗なのか可愛いのか
色っぽいのか少年のようなのか
何とも言えない
不思議な魅力のあった女優さんだったと思います
※画像はお借りしましたm(__)m
急性骨髄性白血病の闘病の末
もう少しで退院を検討されていた矢先
肺炎を併発
27歳の若さで亡くなられました
当時まだ10代だった私が
初めて副作用という言葉知った出来事です
当時よりも医学は進んでいるし
抗がん剤点滴の後で
免疫を上げる注射も打っている
けれど、油断は出来ない
目の前に打ち寄せる
どんよりとした暗い波を見つめながら
前に千里浜に来た時と自分の状況が
ガラリと変わってしまった事を改めて
認識しました
こんな未来、想像も出来なかった
やがてゴールを待つ
ウェイティング状態のライダーさん達の列が
砂浜に続きました
暗い空の下
ただひたすらにゴールを待つ
ヘッドライトが誇らしいです
少しして順にゴールしていくバイクの中に
師匠の姿がありました
いつもの私なら
少しくらい雨に濡れても写真を撮るのに
この時だけは傘をさしたまま
記憶のシャッターだけを切ったのです
師匠!お疲れ様です![]()
偶然、お会い出来た
ぎゅうさん
師匠、深ぴーさんとパチリ!
よく見るとわかりますが
私の左手にはマスクがあります
「最近、距離走るようになってきたね」
と、ぎゅうさん
あ、インスタを見てくれてるからか・・・
だから知っているんだね
治療が始まる前、走れるだけ走ろう
今までとは違う
まるでリミッターが外れたように
バンビに乗って
それをインスタにあげていました
ぎゅうさんと別れた後
「ぎゅうさんに、言わなくてよかったの?」
横にいた深ぴーさんに言われました
「・・・言えない」
私は小さく首をふりました
アメブロ女子部の
牡蛎ツーリングの時、同様
楽しい時間に影は落としたくないからです
そこから、砺波のお宿まで移動です
雨は更に酷くなる一方
叩きつけるような雨でした
その中でもゴールを目指す
数人のライダーさん達とすれ違いました
ご安全に!
雨、早くやんで!!
宿についたら
いよいよ楽しみな夜宴です
縁様
道さんご夫妻
とも合流
お馴染みの乾杯の儀
向かいに座る師匠のTシャツの首回り
そこには雨の染みが出来ていて
いかに過酷な状況だったかを物語っていました
吹き込むような雨だったんだろうな・・・
師匠
本当に本当にお疲れ様ですm(__)m
からの二次会?ラーメンタイム
髪の根本が黒いけど
ここから抜けていくだけだから
染めれません
この時はまだ
味覚異常は始まっていなかったので
ラーメンの味もちゃんとわかって良かったです
翌朝
座席の都合で
4人、2人に分かれての朝食
この写真、私の大好きな写真の1枚です![]()
朝食時の話題は
次のSSTRはどうする?とか
すでに来年、2026の話へ
あーでもない
こーでもない
ボケと突っ込み
そして笑う![]()
いいなぁ、こういうの
当たり前の会話が嬉しかったのです
病人だからどうとか
特別扱いされるわけでなく
いつもと変わらず接してもらえて
本当に嬉しかった
あの退院した日
私の目に映った幻の砂漠
頬を撫でるのは
渇いた風と砂の熱
まるで永遠に続くかのような孤独
でも今は
今は違う
ここは春の陽射しのように
ほんのりと暖かいから
SSTRに来れて良かった
身体がもって良かった
抗癌剤治療の後だから
どう副作用がでるかわからない
賭けだね
とある看護師さんには言われていました
私は、どうやら賭けに勝てたようです
チェックアウト前
忘れ物をしていないか
もう一度、室内を確認します
「?」
バスルームに入った時
小さな違和感を覚えました
髪が・・・
いつもより床に髪が落ちている
「・・・」
軽く、左手を上げ
指先で髪をとかしました
すると退色して金色がかった髪が
少し多め、はらりと抜けて
指に絡まっていました
とうとう始まったか・・・
静かに、でも着々と確実に
私の身体に染みわたっている薬
白いバスルームで独り
腕を組むようにして
私は私自身を抱きしめました
「今日まで、持ちこたえてくれてありがとうね」
SSTRの日までは
なんとかもってくれたら
それだけをずっと願っていたのですから
とりあえず、ありがとうね
ありがとう私
治療はまだ
始まったばかり・・・
えりにゃ![]()










