知多市 防災まちづくり講演会 想定外を生き抜く住民力 | Candybox ~中身のお味は天気次第~

Candybox ~中身のお味は天気次第~

キャンディだって甘いものばかりとは限らない!
防災のこと、家族のこと、趣味のこと。
甘い話も、しょっぱい話も、いろんな味(話)をどうぞお召し上がりください♪

日時:2011.1.21(土)
講師:片田敏孝 教授
   http://dsel.ce.gunma-u.ac.jp/modules/staff1/index.php?id=2
主催:知多市


知多市の広報誌に講演会の知らせがあり行ってきました。
その時の釣り文句が・・・
『当日は参加者に、防災用品、試食用非常食を配布します。(数に限りあり)』
モノで釣るんかい

開演10分前についたらすでに人がびっしり
でもその内訳は、これらの講演会では定番の「頭が白いかハゲてるか」(失礼)な方々。


そんな中ちょうど居合わせた同世代の女性と一緒に、前のほうに座ることができました。
彼女はサクラではなく私と同じように「とにかく聴いてみたくて」来た3人の子のお母さん。
最近新聞でも同世代の方が震災のチャリティーバザーをやるという記事を目にしたばかり。
子を持つ世代としてはやはり他人事ではない方がたくさんいるんだなぁ、と実感


さて、肝心の講演の概要


片田教授はあの有名な「釜石の奇跡」の立役者です。
釜石市の防災教育を監修されており、
今回の災害でも「釜石の奇跡は」まるでサクセスストーリーのように語られますが
教授いわく「それでも5人の子供が犠牲になったんです」。

○学校を欠席していて被災(小学生1・中学生1)
○発災後、保護者に引き渡し避難中に被災(小学生1)
○早退し下校後母親と買い物中に被災(小学生1)
○発災後、祖母の様子を見に行き余震でタンスが倒れ被災(中学生1)

要するに学校以外で被災した、ということ。

でも母親と買い物して被災した子も、普段は母親と離れて暮らしており
その日は中学へ上がるための買い物だったのだそうです。
休んだのだって体調が悪かったからでしょうし、
おばあちゃんの様子を見にいった中学生だって
その行動に非や過ちなどみじんもなく、
人が生きるということは偶然の積み重ねなんだな、とつくづく思わさます。


タイトルにもなった「想定外を生き抜く力」とは何か―――。
そもそも「想定」て何?
「想定を超えた」「想定が甘かった」から「想定を見直す」のか?
先生はここに切り込み、
想定して人為的に守ろうとすればするほど人は脆弱になっていく
全てを防ぐことが防災なのか?
想定にとわられすぎた防災の危険性を指摘しました。


今回の地震でも、いわゆるスーパー堤防に頼って避難せずに被災した方が多かったと聞きます。
彼らが間違ってたとかではなく、人は安全レベルが上がると依存して脆弱になる生き物だそう。
シートベルトを締めたから、必ず交通事故では死なないわけではないように
ハード面を充実させたからと言って命が必ず守られるものではない、と。


それを踏まえて釜石で防災教育をされてきたのが「避難3原則」

1.想定にとわられるな

2.最善を尽くせ

3.率先避難者たれ


(詳細は別で記載しますね)

そして教育の仕方は「姿勢の防災教育」。
防災に対し主体的な姿勢を、つまり行政や学校任せじゃなくて、自分の命をどう自分で守るのか、を知ってもらう。

逆にNG例として
「脅しの防災教育」
 いたずらに恐怖心を抱くだけ。人は恐怖を考えたくないから、防災についても考えたくなくなる
「知識の防災教育」
 主体性(自分で守る姿勢)がないまま知識を与えることは「想定」を与えることになってしまう


最後に防災とはどうあるべきなのか、時間が迫って詳しく話せなかったようですが
もらった資料にこう結んでありました。


人が死なない防災

◎防災の一義的な目的は災害ごときで人を死なせないこと
 帰宅困難者問題や避難生活・避難所運営に係る問題、復旧・復興に係る問題など、
 いわば「生き残った人のための防災」はその次。
◎東日本での悲劇を繰り返さないために
 想定される地震・津波等、今後起こりうる巨大災害への備え
 ・人は忘却するもの。それを前提に、それでも3.11大津波の教訓が活きる文化の醸成が必要


(以上資料より抜粋)


この最後の一文にハッとさせられました。
私も防災について勉強を始め、いろんな知識を得てきました。
備蓄をしよう、非常持ち出し袋を。家具の固定をと騒いでいる自分に
ちょっとしたパンチを喰らった気分です。

あるアンケートでは行政に期待する活動のトップは
「水・食料などの十分な備蓄」だったそうです。
でもその前に、生き残れるのか?
生きてたどり着かなければ何の意味もない。
私たちはきちんとそのことに向き合っているのか?



地震や津波は怖いです。怖いから本当はそんなこと考えたくない。

でも、

でもちゃんと考えなきゃ。



今地震が起きて、1時間後に15mの津波が到達する恐れがあります

あなたならどう行動しますか?
沿岸部じゃないから大丈夫ですか?
本当に大丈夫ですか?


私はわかります。そのために勉強してきたから。

でも

私の周りの人は誰も知らないかもしれない。

自分の家族ですら知らないかもしれない。



私が今後何をすべきなのかが、ちょっと形になって見えた講演会でした。


焦点/防災教育「奇跡」呼ぶ/生存率99.8%、釜石の小中学生(河北新聞社)
http://www.kahoku.co.jp/spe/spe_sys1071/20111126_01.htm