子どものための教育学
実践編(☆:著者 T:教師 C:子ども P:親)
11 問題解決は新鮮なうちに(その日のうちに解決 家に持ち帰らない)
C「先生、Aくんが私のことを『ブス』って言ってきました。」
T「いつ言われたの?」
C「おぼえてない。」
P「先生、うちの子が、B君に叩かれたって言うんですけど、それで学校に行きたくな
いって言うんです。どういうことでしょうか!」
T「それはいつのことですか?」
P「1ヶ月位前のことです。」
C「先生、Cくんが、私に何か変なことを言ってきました。」
T「いつ言われたの?」
C「一週間位前です。」
T「それで、変なことってどんなことですか?」
C「よくわからないけど変なことです。」
C「先生、Dくんが叩いてきた。」
T「Dくん、Cさんを叩いたの?」
D「だって、Cさんがバカにしたから」
C「バカになんてしていません。」
T「バカにしてないって言ってるよ。」
D「だってこの前、失敗したときに笑ったよ。」
T「この前って、いつのこと?」
D「おぼえてない。」
☆どれも実話を元にしたお話です。
そして、どれも解決することはありませんでした。
消費期限切れの問題は、腐ってしまい、解決することができなくなります。
学校というところは、防犯カメラが設置してあるわけではありませんので、日にちの経ったことは、忘れられてしまいます。
どうですか、一週間前の夕飯が思い出せますか。三日前と言われてもすぐに思い出せなかったりしませんか。
嫌なことを言われたり、叩かれたりした方は、覚えているかもしれませんが、相手はというと嘘ではなくほんとうに覚えていないものなのです。
しかも、嫌な気持ちだけが残り、それがいつのことだったかさえ曖昧になっていくのです。
したがって、起きた問題の消費期限は1日です。
その日に起きた出来事は、すぐに解決することです。子ども同士で解決できないなら、先生に相談して解決しなくてはいけません。
解決しないで家に持ち帰ると、消費期限切れのその嫌な出来事をお父さんやお母さんに話すでしょう。当然自分の悪かったことは話しませんよね。
それを聴いたお父さんやお母さんは、事情を知りませんから、消費期限切れの問題で、心を壊してしまいます。
起きてすぐなら、「ごめんね」「いいよ」で解決できたことが、大問題に発展していくこともあります。
お父さん、お母さんが「先生、どういうことですか。すぐに調べて解決してください。もしかしたら、クラスの子どもたちにいじめられているかもしれないじゃないですか。」と、苦情の電話をするかもしれません。
そうなったら、先生は授業どころではなくなるでしょう。
でも、問題が起きてその日のうちなら、そのことを知っている子も何人かいるでしょう。なんでそうなったのかも、はっきりするでしょう。自分の勘違いだったということもあるかもしれません。
ですから、先生も子どもも、起きた問題の消費期限は1日と言うことを忘れずに、新鮮なうちに料理して解決しましょう。早ければ早いほどおいしい解決ができますよ。
腐らしてしまうと、食中毒を起こし、本人同士だけでなく、クラスのみんなや親までも苦しめることになってしまいます。