看護師はもちろんのこと、病院で働くスタッフであれば感染対策を行うことは当たり前だ。しかし「ちゃんと対策できている」という思い込みが思わぬ落とし穴となることもある。手洗いの徹底やマスク手袋の着用は感染対策の基本だが、どんなに頑張っても人間である以上無菌状態になることはできない。身の回りには菌が満ちているのだ。院内で使う携帯電話やペンなどの筆記用具から、あるいは医師が着ている白衣から感染症の原因菌が検出されたという報告もある。過信は禁物なのである。

アメリカの疾病管理予防センターが発表した標準的な感染予防対策法では、もっとも重要なのは「手指衛生」であるとされている。要するに手洗いを徹底すべしということだ。手指衛生方法には、石鹸と流水、そしてアルコール製剤を用いる方法がある。アルコール製剤は手軽なので広く推奨されているものの、物理的な除染除去ができない。また、タンパク質の汚染があると十分に消毒効果を発揮できないという欠点もある。そのため、アルコール製剤の利用が基本となっている場合でも、明らかに指先が汚染されているときなどは石けんを使った手洗いを追加する必要があるのだ。

手を綺麗に洗ったからといって安心してはいけない。実は手洗いを行った3人に1人が、手洗い直後に不潔域に触れているという興味深い観察実験の結果が報告されている。ここでいう不潔域とは、髪や眼鏡、白衣などだ。手洗い場には鏡が設置されていることが多いため、それを見ながら「無意識のうちに」触ってしまう、そんなついやってしまう習慣が意図せず手洗いの効果を台無しにしてしまうこともあるのである。感染予防についてはこちらのサイトにも特集されていたので、気になる人は参考にするとよいだろう。