『逢いたいよ』


泣いちゃった。


仕事終わり…日付が変わる頃


『着いたよっ』


疲れてるはずなのに…
ありがとう。


『もうさ、こっちおいで?結婚しよ?』


彼はいつだって優しいのに。


『あたしは家族がなんなのか分かんない。永遠なんてない』


いつもみたく泣いちゃって。
だってそうでしょ?

世の中の絶対なんて、
絶対死ぬってことぐらいじゃん。


『分かんないなら、俺が教えてあげる。また、一緒に暮らそう?毎日一緒に居よう?病気も、一緒に治していこう?』



幸せなはずなのに。


過去の呪縛があたしを離さない。
許してくれない。


ねえ、どうしてあたしだったの?


可愛い、普通な感覚のお客さん沢山居たでしょう?
彼の為に、尽くし続けたお客さん居たでしょう?


どうして?

結婚ってなに?
紙切れ一枚で永遠なの?
紙切れ一枚で家族なの?


子供が親を選ぶなんて嘘だと思う。


もしも本当にそうだとしたら、
どうして、あたしと彼の赤ちゃんは生まれる事を拒否したの?


どうして?
どうしてお腹から消えたの?


あんなに楽しみにしてた。
彼も、あたしも。


なのにどうして?


彼のお嫁さんになりたかった。
早く一緒に暮らしたかった。


一緒に胎動感じたじゃない。
命に感動したじゃない。


どうしてもう2度と命を宿せないの?
女の子なのに…
どうして赤ちゃんが出来なくなったの?


彼は子供が欲しかったの。
あたしも子供が欲しかったの。


当り前にそんな日が来ると思ってたの。


どうして?


もう彼に子供を抱かせてあげられない。

一生。

神様って意地悪だ。
神様なんか居ないんだ。


子供が出来ないのに、結婚なんか出来ない…



ごめんね。
こんなふうになって。

ごめんね。


『一生お前と居られたら良い。子供はいらないよ。だから、言ってた通り、誕生日には結婚して』


彼は優しいけれど
いつかきっと、子供が欲しくなる。

あたしじゃ駄目な日が来る。


耐えられないよ。


ごめんね…

大好きなのに、ごめんね。



あたしの心はいつ壊れちゃったんだろう。


ねえ、あたしの心を潰した彼のお客さん方、満足ですか?


あなた方が騒いだ通り、あたしは心療内科に通うようになりました。


働けないどころか、
たまにこうやって自分を傷めつけるようになりました。


いわゆるあなた方が騒いだキチガイになりました。


満足なの?



返してよ…
普通の感覚…


彼は今も優しいです。
結婚しよって、あなた方が欲しがった言葉を貰ってます。


あなた方はもう彼を忘れたでしょ?

あたしに消えてって言い続けたことも忘れたでしょ?


どっちが幸せだろうね…


あたしは未だ、あなた方が怖いです。


返してよ…


あたし、普通になりたい。