日本を代表する現代美術家 会田誠さんの大型個展に足を運んできました。
場所は 六本木ヒルズ 森美術館 です。
※写真は許可を得た作品です。
会田さんと言えば、表現方法はかなり奇抜な表現を用いながら、現代を風刺している作家さんではと思います。表現方法はいつの時代にも斬新な発想で展開していた作家はいたわけで、気持ち悪いとかという第一印象からひいてしまうのではなく、その表現を用いて作家が何を伝えたいのか、また、自分はその表現の内側から何を感じたかを、観る視点に持つ事で、目をそらしたくなるような作品とも楽しく向き合えるのではないでしょうか
一番私が印象にのこったのは、「灰色の山」という作品です。この作品は2009年の作品で北京で半年かけて製作されたものだそうです。
サラリーマンが消費されていくさまが見事に生々しく描かれています。私ももしかして、その中の1人なのではと、考えさせられます。逆にその山に属さないサラリーマンとはどんなサラリーマンなのかと。う~ん、楽しい。
もう一つの作品は 「あぜ道」です。1991年の作品で20年以上の前の作品になりますが、会田さん代表作ではないでしょうか。会田さんの得意とする少女をモチーフに彼女の髪の分け目から道を繋げる発想はさすがです。
これも見方自由です。
私なんかは、彼女のこれからの人生をこの「あぜ道」で表現している感じがしました。思春期の女の子の心情としてはもっと複雑な道になりそうですが、まっすぐな道。もしかすると、彼女はすでに自分の歩む道を見つけたのかもしれません。または、必要に迫られて、自分の道に覚悟を決めたのかもしれません。
それに対して、私自身はどうだろうか?
どんどん、いろいろな思いが巡り出します。
ちなみに「あぜ道」は作品保護の観点から2月中旬までの展示となっているようなので、是非早めに観に行かれる事をお勧めします。
会田さんご本人は、展示会場の最後ブースで段ボールによる作品を現在も製作中です。金、土の17:00~20:00位まで基本的にいらっしゃるようです。生で製作風景を観れるかもしれませんね。
会期は 3/31 まで 六本木ヒルズ 森美術館 です。
少しでもご興味ある方は足を運んでみては如何でしょうか?
ご年配の方が作品の前で、
「こんな表現の仕方もあるのか~」
と、うなっていました。肯定的な意見か否定的な意見は分かりませんが、少なくともその方に対して作品が何らかの刺激を与えた事は確かです。
追加情報ですが、ニコニコ動画で今回の展覧会の展示解説を、会田さん本人と山口晃さん(同じミヅマギャラリーに所属していて、大物作家さんです。)が行うそうなので、遠方で足を運べない方はこちらもお薦めです。
ニコニコ動画 1/15(火) 20:00 - 21:15
最後に、このブログを読んでの感想や、展覧会に足を運ばれた感想など、頂けると嬉しいです。