癌治療学会のオンデマンドの講義を時間があれば聞いて勉強するようにしてます。


自分の知ってる領域は敢えて視聴していませんが、うちの外来にはいろんながんの方が幅広く、いろんな状態で来るので、


専門分野以外もざっと理解していないといけません。


その中で一番難しいのが

免疫治療とがんゲノムですね。

どちらも遺伝子レベルの話が中心で、自分が学生の当時は、習っていません。

いや、授業サボって聞いてなかっただけかもしれませんが。。。



まあ、おじさんにはついてくのが大変な領域です。



色んな専門的なことは、恐らく医学にある程度精通していない方では、理解は不可能だと思います。

本当に難しい。

アップデートの速さも尋常ではない。


がん治療を普段していない先生だと、もう全くわからないエリアかと思います。



だから、もう簡単に今の免疫治療のことを書きますが、


これからは、絶対に免疫治療がどこかのがん治療のタイミングで入ってきます。そういう時代です。





現状、免疫治療は基礎的な礎はだいぶ確立しています。同時に、未解決なことがまだまだまだまだ多いですね。

解決しても、これを人の身体に入れると期待した結果が得られない。


たぶん、CAR-T細胞療法は、大ブレイクすると思います。期待しています。

理論的には、免疫チェックポイント阻害剤との併用はすごいことになると思います。


でも、CAR-Tの現状は、固形がんではまだ全く良い成績が出ていないそうです。

そして、結果が出ない理由もわかっています。多くの研究者の先生方が頑張っておられます。

そう思うと、がんの患者さんを目の前にして、リアルで診療、がん治療を提供している医者としては、

その先々の先進的治療にたどり着くために、今自分たちが手にできる色んな武器で、がんから自分を守り抜き、その先の未来にたどり着いて欲しい。

こうなります。


多くの先進的治療として開発されたものの、その多くが診療導入されても、すたれて消えていきます。



なにがその瞬間の最善かは誰もわかりません。が、最良をコツコツやって、未来にたどり着くことが大切だと思います。


今後どのようながん治療が展開していくのか、多くの研究者は方向性を確信しているでしょう。研究から臨床になって、結果が出るためには時間が必要です。


うちのがんカテも、直接患者さんを通してやり取りをしている自施設、他施設の先生方から、

何か月、何年、カテで余命を延ばしていただいた、

そういうお言葉を頂いてます。

これも、武器の一つだと思います。

そして、武器はひとつでは勝てません。


ひとつの治療に妄信することなく、
そして、その都度最良の治療は変わります、間違いなく
このことを理解し、がん治療を選択していってください。

そのためには、よろず相談所的なのが必要なのかなあ。


脱線だいぶしてしまいましたが

免疫治療について書きたかった。


免疫治療がなぜ、研究から臨床になると難しいか?


理屈は端折ります。



1)免疫治療は、患者さんの免疫力、免疫の状態に結果が依存します


医療側から投入された免疫的な薬剤がシンプルにがんを殺すことはないです。
免疫治療は、自分が持ってる免疫への介入です。
だから、人類が免疫を完全に把握しない限り、医療側が期待している結果がでません。
そして、患者さん通しで効果が全然違ってきてしまう。

現状、ざっくりと言えば、
既存の免疫治療で期待される
がんに有効な割合は
2-3割
がひとつの目安かと思ってます。




2)がんの突然変異


抗がん剤がある日突然効かなくなる理由のひとつに、がんの顔つきに変化がありますよね。

免疫に関しても、外部から介入して免疫ががん細胞を攻撃するように調整しても、がん細胞が突然変異して、この免疫から逃げる行程が存在します。
この免疫から逃げる理屈が非常に複雑で、もう様々な経路が関与していて、へーっと感心するように勉強してますが




免疫治療はこれからの治療の主軸になりえるものであり、そして、まだまだ発達途上でもあり、そして、免疫治療だけでは治療成績は限られていて、様々ながん治療と組み合わされていくだろう。


これが、今日のブログのまとめです。



ちなみに、僕はAB型であることに誇りをもっています。

日常生活で、自分を正当化するにに非常に便利です、AB型は。


ABの皆さんは、困ったときに言い訳に
自分はABだからと使ってみてください。

嫌われるかもですが (笑)


では。






「吹田徳洲会病院 がんカテーテル治療センター」



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