14クール 2回め。

はて…採血受付機から検尿カップが出てきません。



採血受付に行き
「化学療法してから採血と検尿はペアだったのに 今日は採尿カップが出てきません」と言うと 消化器科へ電話をしてくれましたが 尿検査は要らないと言われました。
次は 化学療法問診票を消化器科受付に提出しましたが そこでも「1年間ずっとやってたのになぜ?」と言うと 看護師さんがフルイチ先生に聞いてきてくれました。
抗がん剤1回目と3回めは サイラムザという骨系の抗がん剤を点滴するので尿検査も必要ですが 2回めはサイラムザはやらないので尿検査も必要ないそうです。サイラムザって何者?
へえ…いま振り返ると教授先生は丁寧で慎重だったみたいです。


さて…1時間少しの血液検査結果待ちです。




今日は空いています。 
なぜ空いてるのでしょう。孫たちが夏休みだからジジババのおうちに帰省でしょうか? 
家族で夢の国でも行ってるんでしょうか?
(嫌味な私)

さて そこそこでフルイチ先生に呼ばれて やはり先週話が出た「化学療法室からCVポートのオススメが来てるなぁ…」と言われました。



「患者さんもラクだし 看護師もラクだしねぇ…腕見せて」と腕を差し出すと
「あらら…ほんとだ。こりゃ医師クラスの血管だ」と言うので すぐさま腕を引っ込めて
「手術はもうイヤ」と暗〜く言いましたが 行く行くはそうなりそう…ぐすん。
骨転移は治らないので 抑えるためにずっと抗がん剤をします。となると死ぬまで静脈を探し続けます。
じゃあ…これのがいいのかなぁ…ぐすん。





化学療法室では ここんとこイジメのように私の針刺担当になってた看護師ヤジーが担当を名乗ってきました。なんだかオハナシがついてるようで
「今日は最初から先生呼ぶね」と言われ すぐ先生がみえて手の甲に難なくプシュ。
「(点滴が)落ちてる?」と確認して立ち去りました。看護師ヤジーと「速っ!」っと顔を見合わせました。
「来てくれる先生って外科の先生?」と聞くと
「カナさんのチームの先生だよ」とフルイチグループの一員のようです。
「さっきフルイチ先生にもCVポートすすめられたの…」と言うと 
「点滴続けるなら入れちゃったほうが楽だよ。実はアタシも入れてたし…」とすごい告白!
癌のときも感じましたが 癌になってない先生に痛みを伝えようとしても共有できない気がしました。
「抗がん剤副作用でこうなる人もいるようですがならない人もいるようです」みたいな…。統計学しか話さないのが大学の先生。





さっきのフルイチ先生の診察で「ランマーク(骨の注射)やったら 傷口が治りづらいからCVポート入れたら 2,3人血管やぶれちゃって〜って聞いて怖くなって…」と言うと 
「なんで患者にそんな不安要素いうかねぇ! やだねぇ。
でもね実はアタシも(抗がん剤指差して)やってたから 最初からポートにしてそのまま入院で点滴。終わったら取るけど 手術自体は全然痛くなかったよ。そりゃポートに刺す点滴針はチク〜ってするけどね」って教えてくれました。





プライベートなのでなんの抗がん剤治療かは伺いませんでしたが 治療終えて元気に力強く看護師をしていて患者さん励まして…素敵な人生だなぁと感じました。
不思議なもので ヤジーのおかげで仲間意識とCVポートの先輩がいる!と少し勇気が出ました。
やはり経験者の存在は大きいです。




その日の21時ころ 母から興奮したお電話が来ました。
玄関に新聞屋さんに支払うために入れてたお金を入れていた封筒が下駄箱の上の見えるところに出ていたそうです。本人は隠していたのに…と言っていました。
「あぁ先週の金曜日 予定表を置きに行ったとき 玄関の下駄箱の上で確かに見たよ。領収証が2枚でお金は入ってなかったよ」というと どうやらその封筒はすぐ新聞屋さんに支払えるように先月分領収証と4100円を入れていたそうです。そのお金が無い! とご立腹です。

でも
「え?領収証が2枚あるってことは…じゃあアタシ払ったのかね?」と自分の行動がわからないみたいです。
バツが悪かったのか続きます。
「それからさぁ 家主がいないあいだにお茶碗洗って違うとこにしまったり 冷蔵庫確認したりメモ用紙に「卵買いすぎ!こっちのパックから食べましょう」とかを貼り付けてさ…いるときにやるんだったらまだしも 居ないの見計らってくるってなんなのよ!」とまぁ…おひいさまはプンプン姫。





私も抗がん剤打って倦怠感MAXなので 穏やか〜に
「こちらも良かれと思ってたけど勝手にやったことは『大きなお世話』でしたね。もうお手伝いと思われることはやめますね」というと 
「いや…①からそのとおりにやればいいから 予定表だけは助かる」というので


        (こんなに丁寧に作ってんのに!)


「わかりました。じゃ出来上がったらポストに入れときましょうか。それを自分でかんばさみに挟んで管理してみますか? 見当たらないんだけど〜って言われても作れませんよ。
以前『先週予定表』の上に『今週予定表』を挟んで…どれが最新予定表かわからなくなってしまったことがありましたよね? 今日が何日だかわからなくなって…
私はそれを懸念して あずかってる実家の鍵を使って来週の予定表1枚だけを挟んで 先週分は持ち帰ってました。
まぁお茶碗洗ったり、お皿を違うところにしまったりしても 娘だから許してくれると思ってたけど それはもうやめましょう。薬の飲み忘れがないかなどの確認も大きなお世話でした。ソンナコトちゃんとできますものねぇ。家主が言うのが正解ですから。
新聞代を盗られただの、留守を狙って上がりこみ部屋を物色してるだの疑われるなら 実家のカギもお返ししましょうか?」とキツイことを言いました。

結局は 
かんばさみ(この青いのです)を


玄関に置いておいてもらって 部屋には上がらず「今週の予定表」と「来週の予定表」を取り替えるだけの約束をして電話を切りました。
やはり 認知症の人にお金のことは慎重になったほうがいいですね。私もあった場所に戻せばよかったのに そんなことまで気を使わなくてはいけないとは…。


あ〜でも ごもっともなことも言ってました。
「予定表を取り替えるなら家主の在宅時にしてよ」

これは 正論です。
だけど 会いたくないんです。合わない性格もそうですが私の病気を理解できず 行ったらお手伝いさん扱い。できることはやりますが背中が痛いので無理をせずに…とカバーしてくれてるイチャモンにしたら そりゃあイラつきます。何回も「骨が弱ってそんな重いの持てないから俺持ちますから! カナに言わないで!」と言ってくれますが理解できないのか「あっそうなの。んじゃカナちゃん それをコッチ これは向こうへ!」と杖で指します。イチャモンは「お母さん わかってないから寄り付くな」といいます。(母は威張れないのでヘルパーは要らないと言います)




なので はっきり言いました。
「今の私はお母さんが覚えてる容姿じゃないのよ。病気で毛という毛は抜けちゃったし 頭も眉毛もまつ毛も脇毛も何もないのよ。骸骨みたいにガリガリに痩せちゃったし お母さんがお友達に『うちの子女優みたいでしょ?』なんて自慢してた昔の私じゃないのよ。今見たらオバケみたいで怖いのよ。だからね 会ったら「なにみっともない!化粧でもしなさいよ!」って怒ると思うの。でも病気だから仕方ないのよ。わかってくれないでしょ?それが嫌だから行きたくないの。それでも会ってみる?」と言ってやりました。
「そんなの見たくない」ですって。やれやれ。

(あっ…また愚痴ブログになってきた!)


    
(悪口はダメだよ…と語りかけるかまちゃん)


そんでもって…
翌日の金曜日 玄関にあるはずの "かんばさみ" は リビングにありました。「上がらず」と言っていたけど仕方ありません。
腹立ったので
「青いかんばさみは約束通り玄関に置いておいてください。今日は玄関ではなくリビングにあったので上がらせてもらいましたが どこも触らす何も見ず1分で帰りましたので ご安心ください。娘より」と嫌がらせメモを書いて置いてきました。
(書いてて こんな意地悪なところ 母親そっくりって思っちゃいます)

夜ご飯を食べていたら デイサービスから帰ってきて電話がかってきました。
「カナちゃん ママだけど今帰ってきた〜。たくさん持ってきてもらってありがとね〜」

ママ〜? 私はたくさん何を持ってたのかしら? 
予定表1枚ですけど?
イチャモンは ご飯を吹き出していました。
「抗がん剤(の意味もわからないと思うけど)がキツくてお腹痛いから寝てますので 御用がなかったらお電話切りますね」と切ってやりました。





認知症の「に」もありえない しっかりした96才の義母ちゃんの脚が悪化して 老人ホームを探し始めたイチャモン。義母ちゃんをウチで引き取ったら めんどくさがりの母もきっと「私も面倒見てよ〜」と わが家は介護ホーム化しそうで私は何も言えません。イチャモン一人で介護ホーム長です。イチャモンだって70才近いです。
お金ばかり掛けてしまって 私もどこまで甘えていいのかわかりません…。




甘いものでも食べましょう。