ちょっと迷ったのですが、やっぱり書いておきたいと思ったので、思い切って意見を言ってみようと思います。

 

それは、竹中平蔵氏が唱えられた、「ベーシックインカム7万円」についてです。

 

はっきり言って、私は、竹中平蔵さんは好きではありません。でも、最近、本田晃一さんと絡んでいらっしゃると言う所から、私は、この方の良い所を見つけようと努力して参りました。もちろん、竹中さんは、あれ程までの地位を築かれた方なので、考え方や行動、知識など、学べるところはとても多い方です。 ヒマラヤラジオでの、本田晃一さんとのプログラムは、全部、拝聴しており、勉強させては頂いております。

 

が、しかし、今回の、「ベーシックインカム7万円を導入して、生活保護、国民年金等の廃止をする」と言う、竹中さんのご意見には賛成しかねる。 と言うか、なぜ、こんな暴論を発表できるのかが、私には理解できない。

 

困惑している・・・・と言うのが、本心だ。

 

私は、常に、失業者のそばで仕事をしている。 そもそも、生活保護とは、月の生活費だけを渡す制度では無い。生活扶助にプラスして、家賃扶助、医療扶助、教育扶助など、様々な、ベーシックサービスを含んだ、総合支援である。 人が、一人、文化的な生活を送る為に必要な物を、全て、支援してくれる制度である。

 

私は、元より、ベーシックインカム導入には賛成なのである。7万円。大いに結構である。ぜひ、導入していただきたい。ですが、生活保護や国民年金を失くしてもらっては困るのです。

いえ、失くしてもいいけれども、それなら、「ベーシックインカム7万円」では足りません。

 

働けるうちはいいのです。7万に、労働所得があり、健康保険が付けばやって行けるでしょう。でも、何があるかわからないのが人生です。 病気になり働けなくなる方は、少なくありませんよ。メンタル不調で、一歩も家を出られなくなっている人が増えている事は、社会問題になっているでしょう? 何年続くかわからない、うつ病にかかれば、仕事どころではありません。 そうなった時、「7万円」だけで、医療扶助などの国からの支援なしで、どうやって生きていくのでしょうか。

 

病気じゃなくても、高齢になれば収入は無くなります。 年金もなければどうするのでしょうか。

 

百歩譲って、「7万円」で手を打つとしても、医療費無料、家賃無料にしないと、何かあった時、生きてはいけません。

 

家族4人なら28万もらえる・・・と言っている方もいますが、単身なら7万、夫婦2人なら14万です。子供がいるのは子供が巣立つまで。その後は、1人~2人の世帯になる。

 

竹中さんの提言は、私を、ただ、ただ、困惑させるのです。 この制度を導入して、果たして、国民の生活は安定するのだろうか、国民は幸せになるのだろうかと・・・。 この制度は、むしろ、人を不安にさせるだけなのではないでしょうか。

 

私は、こう思うのです。 人は、優しくないといけないと。 愛が無い世界は、結局、その世界を滅ぼしてしまうだけだと。 竹中さんの提言は、ただの「弱肉強食」を煽るだけの提言です。

愛が無さすぎるのです。

 

「4人で28万で、働きたいなら働けば、もっと所得が増える」と言うのは、一見、良さそうに見えて、その裏にあるのは、セーフティネットの無い社会です。空中ブランコの下に張られたネットの無い社会です。人生に、何かイレギュラーな事が起こり、ブランコから落下すれば、地面まで落ちてしまいます。

 

私は、自分の将来に、そんな世界を採用したくない。私の世界は、「愛がある優しい世界」であって欲しい。 弱者を守れる私たちでありたい。 人間って、弱い人に手を差し伸べるからこそ、人間なんじゃないんでしょうか。

 

竹中さんと私は、やっぱり、相性が悪い。 どんなに、美辞麗句を並べても、彼が公表したこの提言は、竹中さんの内面を映し出している様に、思えるのです。

 

竹中さんの提言を知った時の困惑は、例えていえば、戦時中、「死にたくなければ、同胞を売れ」と言われた時に感じる困惑に似ている。

 

こんな困惑を、国民に、いえ、私に感じさせる提言は、聞きたくないな・・・・・・

 

☆彡最後まで読んで頂き、ありがとうございます☆彡