グノーの『ロメオとジュリエット』を見ました。先日
宣言した通り、最近はちゃんと映画館で見ています。
よく思い返してみると、このオペラをMETビュで見たのは
初めてですが、唯一実際にMETに行ってみたのはこの演目
でした。選んだわけでなくて日程に合うのを見ただけなの
ですが。それも今回と同じBシャーの演出でした。
ストーリーは周知のとおりですが、オペラでは結構細かい
ところは省かれていて、若い二人の姿に焦点が絞られて
いる感じです。美しいアリアが多くて、全く飽きさせない
展開でした。
今回はロメオをベンジャマン・ベルナイム、ジュリエットは
みんな大好きな歌姫ネイディーン・シエラが演じました。
シエラはやっぱり迫力があります。声に張りがあるし
技術的にも歌が上手い。そして驚くほど口が大きく開く。
だからあんな声が出るのでしょうか。14歳の少女の屈託ない、
幼い感じをよく表現していました。
そしてベルナイムが素晴らしいですね。ノーマークでしたが
すごく良かったです。声がいい。そしてリリカル。
あとフランス人なので当たり前ですが、フランス語が
美しいんです。フランス語って歌うのが難しい言語なのでは
ないかといつもこっそり思っている訳ですが、彼が歌うと
とても滑らかなんですね。そして他の人のフランス語が
ヘタに感じる。やっぱり言語と歌の関係は奥深いです。
その他のキャストも堅かった。マキューシオ、ティボルトの
決闘なんかも舞台を大きく使って迫力あって面白かった。
パリスの厭らしい感じもコミカルだったし、なんか演劇的な
雰囲気かもしれません。
キャストと演出がよくマッチした素晴らしい作品でした。