さて話をカナダ横断の旅に戻します。
僕はバンクーバーを出発する時、ケベック州という英語とフランス語が話されるエリアの友達がたくさんできました。
ダントツで僕の英語力が低かったのですが、彼らもカナダ人でありながらフランス語なまりの英語を話す連中でした。最初は僕があまりに英語ができないものだから「Junjiは白昼夢を観ている男(デイドリーマー)だ」なんて言われたこともあったのですが、短い期間の中で仲間として迎えられ、プログラム修了時には別れを惜しみました。
そんな中、僕はバンクーバーからケベックを通過してプリンスエドワード島まで行くっていうことを伝えたら、その中の連中の多くが「俺のところにも来いよ」「私のところにも!」と連絡先をくれました。当時はネットも携帯もない時代ですから、全ては手書きの紙切れ一枚ですが、これが全てを繋ぐ鍵でした。

ケベック州の州都モントリオールに到着して、最初に連絡したのはマルタン(英語で言うマーティン)という友人。彼は当時モントリオールに高校留学中の彼の友達であるSora君を連れて僕達を快く迎えてくれて、モントリオール観光に連れ出してくれました。カルガリーでも偶然にカナダ高校留学中の男の子(名前は分からない)と出会いましたが、実はこの旅中に様々な高校留学生と出会ったは不思議なご縁です。そして25年後、僕の息子がカナダ高校留学に絶賛挑戦中です。

 

さてマルタン&Sora君の案内で行ったモントリオール観光で最も印象に残っているのはノートルダム大聖堂ですね。本当に有名なこの教会でも、特に教会の内側の壁にかけられた20枚くらいの彫刻を1つ1つ説明してくれました。これはジーザスの一生がストーリー仕立てで描かれているのですが、とても興味深いストーリーなだけでなく、その彫刻のクオリティも非常に高いものでした。大きさにして横30センチ、縦50センチくらいと大きなものではありませんが、そこに刻まれたストーリーを英語が下手なもの同士で語り、そして古き時代に思いをはせました。

そこで出会ったのが、当時あまり良く知らなかった「モントリオール・エキスポス」というチーム。ここってメジャーリーグベースボール(MLB)のチームで、カナダに当時2チームあったうちの1チーム(もう1チームは、トロント・ブルージェイズ)で、今は別のフランチャイズになっちゃいましたが・・・
そのため、モントリオール・エキスポスのことを話せる人、もうほとんどいないんですよね~(思い出話)
とはいえ、当時モントリオール・エキスポスが移転するなんて誰も思っていなかったので、試合を見に行きました!相手チームがどこだったか全く覚えていませんが、一番安い外野席が9ドル(当時のレートで600円弱)と激安で、しかも観客席はガラガラで、でもスポーツ観戦も大好きな僕にとっては極楽な時間だったことを覚えています!
選手の名前も知らないし、対戦相手も知らないけれど、メジャーリーグの選手紹介、演出などに感動したのを覚えています。

メジャーリーグの選手って、日本の選手と比べて投げ方が窮屈なようなちょっと変則な投げ方の選手が多いように思えました(当時)日本人の投手は多くがとても似ている(もちろんサイドスローやアンダースローもいますが)と思うのですが、北米の選手はそれぞれの筋肉のつき方や骨格や癖なども含めてそれぞれの選手にあった投げ方を受入れている(無理な強制をしない)のだと思います。

人生初のメジャーリーグ観戦はモントリオールでした。
当時は野茂英雄選手がドジャーズに移籍した直後で、まだ日本人の中でメジャーリーグが人気だったり有名だったわけではありません。それから1~2年後、野茂選手の活躍でメジャーリーグが日本人の注目の的となっていきました。

本場のメジャーリーグを見て、観客は少ないながらも大迫力の試合を観れたことは貴重な経験となりました。


さて、マルタンはもう一つ、NHL(ナショナルホッケーリーグ)の試合も教えてくれました。モントリオール・カナディアンズというチームがあり、カナダはホッケーが非常に盛んであることを教えてくれました。
NHLにはカナダのチームが6つあります。
バンクーバー・カナックス
カルガリー・フレームス
エドモントン・オイラーズ
ウィニペグ・ジェッツ
トロント・メープルリーフス
そして
モントリオール・カナディアンズ
です。

北米4大スポーツはアメリカンフットボールのNFL、バスケットボールのNBA、メジャーリーグのMLB、そしてアイスホッケーのNHLです。その中でNHLほどカナダのチームが多く含まれているスポーツはありません。
それだけにカナダはホッケーの人気が高く、熱気がすごいです。
僕は紹介されたモントリオール・カナディアンズの試合も見に行きました。チケットは簡単に買えたのですが、エキスポスの時と異なり観客は大入り満員。熱気もすごかったです。正直、同じ街にあるプロスポーツとは思えないほどの違いでした。
モントリオールはスポーツが盛んな街です。「北米のパリ」と呼ばれるようにフランス語がメインで使われる珍しいエリアで、世界的にはパリに次いでフランス語を話す人口が多い街となっています。しかしカナダの街ですから英語もかなりの割合で通じます。
そんなモントリオールにはアイスホッケーのモントリオール・カナディアンズ、メジャーリーグのモントリオール・エキスポス(旧)、メジャーリーグサッカーのモントリオール・インパクトと、プロスポーツチームがたくさんあるカナダ第二の都市となっています。
カナダ第二の都市であり、オリンピックシティであり、プロスポーツを楽しめる街であり、留学先として英語とフランス語の両方を学べる街であり、本当に魅力満載な街です。

バンクーバーで出会ったマルタンのおかげで、旅の途中で本当にいい出会いに恵まれました。