仲間と共に人生初のゴルフコースに挑戦をしたのは、カナダでも名門と言われるフェアモント・バンフスプリングスゴルフコース。友人のMasaさんがそこのお土産やさんで働いていた関係で、ここで人生初のゴルフデビューすることとなりました。

さ、いよいよゴルフコースに一歩を踏み出しました。
すごーーーく広く奥まで広がる広いフェアウェイに感動したのを覚えています。カナダのゴルフ場ってものすごーーーく人が少なくて、僕たちの他には誰もいなかったように思います。そして至るところにムースの群れ。
僕たちは大はしゃぎでした。Masa、Tetsuya、Yukihiro、僕の4人は順番をジャンケンしてさあ第一打です。どう考えたってど素人4人なので、真っ直ぐ飛ばせそうなのはMasaさんくらい。僕たちは見様見真似でボールに全力をぶち込みました!ボールは僕が目指す方向から大きく右にそれ、低い弾道で飛んでいきました。サッカーをやってるだけあってボールには力がありますが、上にすら上がらず、そしてそこらへんに大量にいるでっかいムースの一匹のドテッ腹に打ち込む形になってしまいました。ムースは声も上げずに大群だったけれどワッと動いて逃げていきました。
もう僕は心が痛くなってしまいました。
大自然がありそこにいるムースのお宅に勝手に人間がゴルフコースを作って勝手にゴルフを楽しんでいる構図ですから、僕がムースの腹にボールを打ち込んで、ムースをおびえさせてしまうのは本来あるべきではありません。
ムースにでっかい声で「ごめーーーん」って謝り、でもせっかくの機会なのでプレーを続けました。

この第一打の印象が強すぎて、その後のプレーなどは一切覚えていません。広くて広くて広くて広くて、ゆ~~~~っくりとプレーできたのを覚えています。そしてMasaさん以外の3人はボロボロで、楽しもうとしているけれど、プレーとしては楽しむ余裕がなかったと思います。
ほろ苦く甘酸っぱい初めてのゴルフ体験でした。

僕たちは前述の通り、バンクーバーから車でバンフまで行っていました。
カナダって広大な国で日本の27倍の広さがあります。そのため、とにかく人が住んでいない空いてる土地がめちゃめちゃあります。車で長距離を運転していると「もう運動したい、走り回りたい」というような衝動に駆られます。

「あっ、あそこにグランドがある」ってなると、僕たちはサッカーボールと1枚のフリスビーを持って駆け出していき、まずはサッカーボールをガンガン蹴ります。サッカー経験者が僕しかいなかったので、他の2人は僕に付き合ってくれる形でサッカーボールを蹴って追いかけます。
カナダ留学中にフリスビーを始めた3人の実力は同じくらいだったので、3人でそれなりの距離離れてもある程度正確にコントロールして投げることができ、これがめちゃめちゃ面白いんです。
フリスビーを知らない人はおられないと思いますが、フリスビーをある程度正確に強く投げられる人っていうと数は限られてくると思います。僕たちはカナダに来て初めてフリスビーに触れましたが、そのシンプルさの虜になり、低い弾道で遠い距離まで飛ばす投げ方や、高い弾道でその軌道を楽しむことなど、かなり色々なことを工夫しながらの遊びに興じました。

中でもTetsuyaは手首のスナップが強くて、低くてきれいな弾道を描くスローに長けていました。受け取る僕の方も「手が痛い」って思うような弾道で、殺人スローでした。対して僕のスローは殺人級ではありませんでしたが距離も正確性もありました。
この男3人でフリスビーとサッカーボールっていう原始的なおもちゃ2つでとことん遊び尽くせたのは本当に楽しい思い出になりましたよ。

当時の僕たちはスポーツに真剣に取り組んでいたわけではないので、体力を鍛えるとか、体を絞るという概念は全然なく、その代わりに「モノがない中でどうやって楽しむのか」にフォーカスしていたように思います。

カナダの至る所にある空き地はそれだけで宝物で、誰も他に人がいません。
普通に整備されたグラウンドのような空き地もありますし、牧場の敷地に潜り込んでサッカーなどをやったこともありました(本当はダメだと思うんので、皆さん、やらないようにね!)車が停められる場所なんて、都市部を除いてほとんど停められる環境にありますから、日本では手に入れにくい「場所」に溢れています。
僕は今、日本ではフットサルをやっているのですが、実に2時間場所を借りて2万円以上します。これを15人くらいで割って使っているのですが、カナダではおそらくこのような概念は馬鹿げているんだろうな~って思います。広い国土を持つカナダと言う国で子供達が伸び伸びと育っているのは、ここにも秘密の一端があるんじゃないかな~って感じずにはいれません。

僕の息子が高校留学に出発して1か月、彼は僕に似てサッカー大好き少年に育ちました。
サッカーは全面天然芝のコートが5面くらいあって、それに屋内サッカー場もあるそうです。だって土地が安いからこういうことが実現できるんですね。サッカーが好きな仲間もできたようですし、スポーツ全般に好きな息子にとってはフリスビーでも、バスケでも、スキーでも、何でも挑戦できる環境にあります。そして手つかずの自然にあふれる環境がそこにありますから、美味しい空気を肺いっぱいに吸い込んで目いっぱい運動を楽しんでほしいと思っています。

僕がカナダ留学を通して感じた「カナダの雄大さ」「スポーツがやりたいと思ったらその場でどこで出もできる環境」を息子にも感じてもらって、のびのびと自分の今後の人生に活かしてくれたらこれ以上の幸せはないな~なんて思っています。

カナダのスポーツを取り巻く環境、めちゃ素晴らしいですよ~~