ケーブルテレビを付けたら
海外のモデルオーディション番組をやっていた。
『最終選考に残った20人(だったかな)の中からひとりがネクストトップモデルに選出される』
と言うもので
家の用事をしながら選考の様子を見ていた。
するとある男性がカメラマンと話している(?)様子が映った。
カメラマンさんをしっかりと見て頷きながら
相手の放つ言葉の意味を噛み締めるかのように聞いていた。
その眼差しがアップになった瞬間
『この人がトップに選ばれるだろう』
と感じた。
他にどんな代表がいるかもまだ見ていないのにそう確信した。
それは、あまりにもその男性の眼差しが美し過ぎたから。
男性の瞳には純真な光が宿っていた。
※ちなみに後から冷静に見れば「こ(濃)ーーーーーーー!!!!!」と言わずに居られない顔(笑)
もっとその男性を見たくて椅子に腰かけて見たところ
その男性はろうあの方だと言うことがわかった。
彼の真摯な眼差しは
繋がりたい 受け取りたい
そんな想いの現れだったのだ。
世の多くの者が あんな眼差しで人の言葉を聞いたりはしない。
彼こそ言葉の世界の人間なのだ。
言葉の根本にあるものに向き合って生きている。
だからたった一瞬映ったコマで
わたしは胸を打たれたのだと思う。
他のモデルが衝突し合い怒鳴り合い罵り合っている予告がその後映ったとき
彼の瞳の奥、根本にあるもの、その正体がわかった気がした。
静寂
それは平和
それは愛
全ての源
彼はその世界を生まれながらに知っている者なのではないか。
後から調べてみたら
『ご両親、ご祖父母、ご兄弟全員がろう者という家庭に生まれた』
と書いてあった(しかも本国では既に放送済みで、なんと彼が優勝者だった!)。
望んでそうなったわけではないだろう
生きてくる中で想像もできないような努力をし
たくさんの葛藤や痛みを抱えて来ただろう
でもこの世界のルールや生き易さと言うものをひっくり返して見た時
彼の居る世界は多くの他の人々には手に入らない特別なものなのだと感じた。
彼はそれを手にしている。
改めて確信した
多くの者が「わかる」「理解できる」ものを持っている
『経験してみたい』人生を歩んでいる者よりも
多くの物が「わからない」「理解できない」ものを持っている
『できれば経験しないでいられたら』と言う人生を歩んでいる者こそ
尊い魂の持主なのだと。
逆境苦境悲しみ痛みの多い人生を与えられた者は嘆くだろう
「神などいない」「自分は神に愛されていないのではないか」と
けれどきっとそれは違う
この世界に降りてくるとき、神様はそれらと一緒に
そっと見えない小包も渡してくれているのだ。
”この小包を持って生まれて来たこと
そして小包の正体に気付いたとき
君は神の深い愛を知るだろう”
光を奪われたような
人よりも薄暗いような道を歩いている気持ちで生きて来た者は
光を見付けたとき
魂の底から震えるような深い深い喜びを感じるようになり
小さな息吹 頬を撫でる風
舞い落ちる花びら 鳥のさえずり
形を変える雲 暮れゆく空
足元の落ち葉
この世界を創る全ての要素に感動し感謝をするようになる。
それは最初から温かな光の中しか歩んだことのない者にはなかなか理解し難いもの
小箱を抱えて生まれて来たことを忘れ
もう疲れたと祈る両手さえ下ろし
落とした小箱がパカリと開いたとき
雷に打たれたように『解る』のだ
わたしたちは皆愛されていたのだと。
一度思い出すと小箱の中からは愛が無限に溢れ
その人自身とその周囲へと広がってゆく
たぶんこの彼の小箱はきっと
もうずっと昔から開いている。
最後にwinnerナイル氏をペタリ↓

動画の方がより人柄がわかる。コロコロ表情が変わって愛らしい!↓