誰かを愛するということ。
泣いてたの
ひとり 泣いてたの
誰も見ていないところで
誰も見ていないから
知られたくない涙を
こっそりと 流していたの
どうしてなのか
なぜなのか わからない
問うても答えなどでてきはしない
ただ時々
破裂した水風船みたいに
何かが溢れ出て来て止まらなくなる
欲しいと望めば 手にできて
痛いと泣けば 慰められると
信じていた 幼きあの頃
泣いても願っても
どうにもならないことがあると
思い知った今でも
ただ ひたすら溢れてくる
涙は人の本能だと知った
愛しい 逢いたい
それだけで
こんなにも泣けるのは人だから
だめですか 神様
繰り返し
こんなにも祈るのも人だから
そうして
わたしたちは涙を流す
海に出るため
小さな小舟を進めるため
滞って澱んでしまわないよう
そこに愛だけを残すために