前年に歩行中に、突然、転びました。当初は年齢からくる歩行不安定だろうと思っていましたが、高血圧でお世話になっていた循環器科の医師から脳の検査を勧められました。しかし当時は業務多忙で検査を受ける時間がなかなか取れずに放置しておりました。
そして東北地震が発生。福島原発の水素爆発で放射性元素が日本中に飛散する状況となり、勤めていた会社が外資ということもあって、フランス政府の指示で社員はオフィスを閉めて東京から避難することになりました。私は社員が留守の間事務所の管理をすることになり東京に居残ることになりました。もっとも、仕事はお休みなので時間的に余裕ができ、放置していた脳の検査を受けることにしました。
初めてMRI検査を受けましたが、しばらく結果を聞きに行くのを失念しておりました。翌々月に高血圧の外来を受診した時に、電子カルテに記号が付いているのを見て医師が何か所見があるようだと教えてくれましたが、脳は彼の専門外なので画像を見ても解らないとのこと。たまたま私は脳腫瘍の治療法開発の仕事をしたことがあったのでMRI像を見せてもらうと、小脳に鶏卵大より少し小さめの腫瘍が写っておりました。そこの病院の放射線科の所見では、おそらく転移性のものではなく原発性のものだろうと指摘されておりました。眼の前が一瞬真っ暗になりました。
治療の方針を決めるため、その病院の脳外科を受診しましたが、すぐにでも手術したほうが良いだろうという意見でした。循環器科の医師は病院の手術および術後の治療体制からみて、もう少し大きな病院へ入院することを勧めてくれました。そこで脳外科の先生には申し訳ないですがセカンドオピニオンを聞くためということにして友人の勤務している病院への紹介をお願いしました。
セカンドオピニオンをお願いした病院では、装置がフル稼働の状態ですぐにMRI検査ができず、元の病院で造影剤を使ってMRIを撮ってくるように指示を受けました。その結果、幸運にも腫瘍は造影剤で強調されず、悪性度はそれほど高くないのではないかと思われましたが、余命の宣告はされて、手術をしないと詳細は判らないが、手術しても30ヶ月ほどだろうと云うことでした。