何故日本の学生野球のメンタリティーは改善されない!? | あったか~い

あったか~い

海や山を愛して

現在、全日本大学野球選手権が明治神宮野球場で開催されている!
今日は準決勝2試合が予定されていたが雨天順延となった。
明日の第1試合は九州共立大×早稲田、第2試合は龍谷大×亜細亜である。

非常にレベルの高いこの4強!九州共立大のエースは大瀬良(3年・長崎日大)で、2009年夏の甲子園で活躍した本格派右腕で準々決勝でも151キロをマークするなど高校時代から確実に進化している。同郷の同学年スター、現在広島カープの今村とはプロで好敵手となり得る逸材である。

早稲田は正直かなりの質量を誇り、間違いなくここ数年の中でも最高レベルである。今年の大学野球界でもNo.1である。投手は実質のエースが昨年夏、甲子園を制した吉永(1年・日大三)、2番手はリーグ戦ではほぼ第1戦で先発してきた左腕、高梨(2年・川越東)。高梨は打撃も相当良い。野手に転向しても十分レギュラーを獲得できる力を持っている。

高梨はブルペンでの様子を見る限り、肩の周辺を痛めていると思われ、やたら「いてえ、いてえ!」と顔をしかめていた。何故、彼がこのような状態で投球をするのか、また試合で先発するのか理解に苦しむ。実際準々決勝の対奈良産大戦では3回途中で降板している。監督やコーチはこの高梨の状態を理解しているのだろうか!?理解しているべきだし、高梨本人もきちんと伝えるべきだろう。自分自身の選手生命にも関わるし、投手力が豊富な早稲田を自分が無理して投げることで窮地に追い込むことにもなりかねないのである。仮に自分の代わりに投げる投手が結果を残し、先発の座を譲ったとしても、またいつかチャンスは巡ってくるし、選手生命が絶たれるよりはずっとましである。

龍谷大のエース右腕、杉上(すぎがみ)はかなり質の高い本格派!144キロを幾度もマークしている。テークバックが小さいやや独特のフォームから繰り出される直球は打者を手こずらせる。
杉上は2試合連続で先発し、準々決勝で9回にマウンドを譲るまでずっと投げ続けていた。

亜細亜の東浜は2年生までの150キロの速球は鳴りを潜めているが、駆け引きと投球術、コントロールが抜群で4年春の時点で完封試合数は東都だけでなく日本の大学野球の記録をとっくに塗り替えている。ここ数年の東都大学リーグの打撃力が明らかに低下しているのもあるが、東浜は1番素晴らしい投手であることは間違いない。

ただ、生田監督は東浜にこの大会、4試合全て先発指令を出しているとのこと。そんな中、東浜は自分が投げている試合の攻撃時にブルペンで投げている。投げ過ぎだろう!
僕は声を大にして訴えたい!やっぱり肩肘は消耗品だよ!別にアメリカかぶれでもメジャーかぶれでも何でもない!これはもう常識のレベルで投げ込みは故障を招きやすいことはこれまでのプロの投手達だって語っているでしょう!

もちろん、投げ込みをせず、登板間隔、登板時の投球数を制限するアメリカの投手だって、肩肘を故障する投手はたくさんいる!アメリカの調整方法が絶対に正しいとは思わない。

ただ、投げ過ぎが投手をダメにするのは工藤公康さんもこの前僕が行った彼のトークショーでも語っていた。高校で凄い球速を投げていた投手が大学で球速が出なくなる。大学で下級生時までは球速が出ていたのに、上級生になって何故か落ちている。高校や大学まで剛速球を投げていたのに、プロ入り後は落ちている。等のケースは多々見られる。これらは工藤さんいわく、間違いなく投げ過ぎによって、肩肘が疲弊してしまっているから起こる現象なのだそうです。

ちなみに上記のケース、名前を挙げるとすれば、菊地雄星、大石のライオンズ ドラ1コンビ。
法政4年生三嶋、現ファイターズの斎藤、他いくらでも挙げられる。
アメリカではこの球速が若くして出なくなるケースは少ない。故障する投手も多いが、球速が落ちる投手は少ないのである。

アメリカの投手と日本の投手の球速の差は数年前からどんどん広がっている。アメリカでは技巧派で95マイル(153キロ)投げる投手は珍しくなく、速球派は97マイル(156キロ)以上楽に出るのが普通。そしてその速球派がブルペンの半数以上を占めるケースは珍しくない。Royalsもブルペンの7名のうち、5名が平均で97マイル、最速で102マイル(104キロHerreira)を投げる。残り2名も95マイルは投げる。165センチ左腕のCollinsでも最速で97マイルを投げるのである。本来の先発5名に関しては左腕Duffyは99マイル(159キロ)、Paulinoも99マイル、Hochevarは96マイル(154キロ)を投げる。軟投派の左腕Chenは89マイル(142キロ)程度だが。ちなみにRoyalsの先発投手陣はMLB30球団最低の評価である。

日本は高校、大学と投げ込み、連投の投球過多により、プロで活躍する投手も今は技巧派が多い。150キロ(アメリカでは速い球ではないが)以上平均で投げる日本生まれの投手は田中(イーグルス)と...あとは...誰ですかね。いるかもしれませんが出てきません。

僕個人の意見を言わせてもらうと、やはりプロの世界では150キロ以上コンスタントに投げる先発投手が各ティーム1名はいてもらいたいし、ブルペンにも複数名いるべき。MLBがたくさん中継されるようになった現在でも、NPBの投手達も見劣りしないぞ!という迫力ある投手が数名はいてしかるべきである。日本のプロ野球になると急に中6日になっちゃう。アマチュア時代と違いシーズン長いとはいえ。

その為には投球過多、登板過多はやはり止めなければいけない!

こんなこと言っても日本のスタイルが絶対だ!っていう野球ファン多いから賛成意見など数えるほどしかないんだろうな。まあ、子供の頃から指導者に日本の古来の取り組みが代々伝わって、アメリカの調整法に目がいくことはないんだろうしね。残念だなあ。