「真央ちゃんが踊っている、ラフマニノフのコンチェルト」
を書いていて、
ラフマニノフといえば・・・
これをあげないワケにはいかんでしょう
「シャイン」 (原題:「Shine」)
1995年 オーストラリア
http://eiga.com/movie/45315/
監督: スコット・ヒックス
脚本: ジャン・サーディ
原案: スコット・ヒックス
製作: ジェーン・スコット
撮影: ジェフリー・シンプソン
ジェフリー・ラッシュ(デヴィッド)
ノア・テイラー(若き日のデヴィッド)
リン・レッドグレーブ(ギリアン)
アーミン・ミューラー=スタール(デヴィッドの父)
天才少年と呼ばれながらも、若き日に精神を病み音楽界から消えた幻のピアニスト、デヴィッド・ヘルフゴッド(1947~)の半生を基に描く。
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幼少の頃から音楽好きの父親にピアノを仕込まれたデヴィッドは、やがて著名な教師に見出され天才少年として評判になる。
最初は自慢していた父親だったが、支配的な性格の彼は、デヴィッドにイギリス王立音楽院への留学の話がもちかけられると息子が家を離れることを拒否。
しかしデヴィッドは援助者を見つけ父親の反対を押し切って留学する。
デヴィッドは父の昔からの夢だった「ラフマニノフのピアノ協奏曲第三番」を舞台で演奏するため、教授から日夜激しいレッスンを受ける。
しかしその狂気ともいえる旋律と激しいレッスンにのめり込んでゆくうちに、彼の精神は徐々に蝕まれてゆく。
そして、舞台で素晴らしいコンチェルトを披露したデヴィッドは、そのまま倒れてしまう・・・
アカデミー賞最優秀主演男優賞(ジェフリー・ラッシュ)、最優秀作品賞受賞。
97年キネマ旬報外国映画ベストテン第3位。
作中のピアノ演奏は全てヘルフゴット自身です。
私は東京で働いていた頃、実際にデヴィッド・ヘルフゴッドの演奏会を聴きに行きました。
彼は、鼻歌を歌いながらピアノを弾くんですよ。
本当に子どもがピアノと戯れているように、ニコニコ笑って、それはそれは楽しそうに・・・
きっと彼は、ただただピアノを弾くことが好きで、こうして弾けること、人が自分の演奏を聴いて喜んでくれることが、嬉しくて楽しくて仕方がないんだろうなあ、と・・・
無心で、楽しんで、音楽に没頭すること、
それは、アマチュアながら同じように「舞台で/人前で演奏する」ということを長年やってきた私にとって、一番大切なことであり、うらやましくも感じられる瞬間でした。
忘れ去られ中年になったデヴィッドが、ある日、街のバーでピアノを弾いたことがきっかけで有名になり、新聞でとりあげられた時の見出し
「David "Shine" (輝けるデヴィッド)」
が、印象的でした。(題名の「Shine」は多分ここからだろうと)
映画のラストシーン、デヴィッドが、パートナーのギリアンとともに父親の墓を訪ねるシーンがあります。
「何も感じない。おかしい?ショックで茫然自失だと言えば、満足かい?」
「父は亡くなった。僕は生きてる。そしてこれからも人生は続く。それだけだよ」