マレスケの虹
あらすじ
おじいさんに育てられているハワイの日系二世のマレスケがいろんな葛藤の中、第二次世界大戦が始まって自分のアイデンティティに悩みながら成長する話
グッときたポイント
敵か味方か・・・もちろん僕はアメリカ側に立っているつもりだ。だけど日本はぼくらを裏切り、アメリカはぼくらを疑っている。
時は1941年、ハワイ島のヒロという地域に住んでいるマレスケはハワイ生まれのアメリカ人。だけど、育ててくれているおじいさんは日本生まれの日本人。日本人のように育てられていることに違和感を覚えながらも、お店を経営しているおじいさんを手伝いながら、現地の公立学校と日本語学校に通っている10代の男の子です。
そして12月に日本軍が真珠湾を攻撃し太平洋戦争が始まってしまう。マレスケのお兄ちゃんも日系人部隊に志願して「アメリカ人」として戦争に行き、ヨーロッパで戦死してしまいます。それでも彼はこれからも「アメリカ人」としてしっかりと生きていくのです。
ハワイという国、島は世界中から愛されているリゾート地ですが、ほんの少し前は日本からの移民が苦労した場所です。そして第二次世界大戦(太平洋戦争)では日系人たちは収容所に入れられ差別され、それでも自分たちはアメリカ人なんだという気持ちを持ち続けた場所でもあります。
私が初めてハワイに行った時は小学校6年生だったので、歴史のことがあまりよくわかっておらず、「真珠湾攻撃?戦艦アリゾナ?なにそれ」とハテナばかりでした。その旅行の現地ガイドさんは日系三世でしたので、「私は日本語を一生懸命勉強しました」とおっしゃってました。きっと主人公のマレスケの子供ぐらいの年齢だったのでしょうね。
彼ら日系人のおかげで日本人の観光客は特に英語を話せなくてもハワイは十分に楽しめます。
今年の夏はコロナが明けて3年ぶりの制限なしの夏ですね。(といってもコロナが駆逐されたわけでもなくて、特効薬もできたわけでもないのでどうなの?と思うけどね。)ハワイに行かれる方も多いことでしょう。ただ単に楽しむだけではなくて、ハワイの歴史と日本との関わりなどに思いを馳せるのも大切ではないかと思います。
あ〜またハワイ行きたくなった。
ちなみにこの本は私が読み聞かせボランティアをしている中学校で借りました。(ボランティアにも貸し出しカードを作ってくれるのです)
結構いい本が多くて、本屋大賞のだったり新刊や話題になっている本もあるのでとてもありがたいです。司書さんのセンス最高!