ドイツ陸軍のM36野戦服です。
かなり使い込んだ野戦服です。
襟の内側にはKragenbindeが当時のまま残っています。
右胸の国家章(いわゆるワシ章)は製造当時の縫い付けのままです。
国家章ですが、1935年タイプで、濃いエメラルドグリーンの下地に白いbevoで鷲が織り出されています。
戦争が始まると、ワシの色が、白からグレーに変わります。
ワシ章の縫い付け方法ですが、いくつかの縫い付け方がありますが、
このワシ章はいわゆるZip and Flip法で付けられています。
具体的には、上部を一直線に機械で縫い付けて裏返し、
残りの部分は手縫いで服に縫い付ける方法です。
襟章ですが、兵科色のない全科教共通のもので、
マウスグレー色です。
この襟章は1940年5月に導入されました。
野戦服自体は1938年製(刻印が薄くて不鮮明ですが)です。
襟の裏を見ると、この襟章の縫い付け方がわかります。
全周を機械で縫い付けています。
これも当時の縫製だと思います。
内側の写真です。
4カ所にベルトフック用のキャンバス製のフラップがついています。
M36野戦服は本来は内装サスペンダーを使ってベルトを支える方式です。
この服はあちこちに補修があるので、多分一度回収されて工場で修理されています。その時にM42型野戦服から導入された方式に改修されたようです。同時に襟章も野戦で目立たない全科共通の低視認性の襟章に変えられたのかもしれません。
第二ボタンホールには2級鉄十字章のリボンがついています。
これも当時のままだと思われます。