「ピンポン録音」のはなし | ~Crossover Conversation~

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『クロスオーバー・カンバセーション』~This blog is edited by Sahara.

いまどきのHDレコーダーやPCでの編集が主流になった、若い世代のDTMmerには、もう忘れ去られている用語かもしれません。(笑)
かつて、まだ「カセットテープ」が全盛だった時代に、多重録音のできる「マルチトラックレコーダー」はまだ高価で、金の無い貧乏ミュージシャンはいろんな試行錯誤をして曲づくり(多重録音)をしていました。
そのもっとも初歩ともいえるのが、Wデッキラジカセを使った「ピンポン録音」というものでした。
その方法はというと・・・



まず最初に【カセットA】にリズムパートを録音する。
そして、Wデッキラジカセにマイクを接続し、再生デッキ(デッキ1)で【カセットA】を再生させ、それを聴きながらベースパートを演奏(当然 生!)・ミックスしたものを、録音デッキ(デッキ2)の【カセットB】に録音。



【デッキ1(再生):カセットA(リズムパート)】 → 【デッキ2(録音):カセットB(リズム+ベース)】





この段階で【カセットB】にはリズムとベースがミックスされたものが録音されました。
次に、【カセットB】をデッキ1に入れ替え、同じ方法で今度はバッキングをミックスします。



【デッキ1:カセットB(リズム+ベース)】 → 【デッキ2:カセットA(リズム+ベース+バッキング)】



これを繰り返してオケを作ります。そして最終的にメロ(歌)パートをミックスして完成となります。



【デッキ1:カセットA(オケ)】 → 【デッキ2:カセットB(オケ+歌)】 で、完成!



カセットがデッキ1と2の間を、まるで卓球のラリーのように行ったり来たりする様子から「ピンポン録音」という名前がつきました。



ただ、この方法には数多くの問題もありました。



1:ダビングを重ねるたびにノイズ(テープ特有のヒスノイズ)も重なって入るので、何回か重ねただけで「ノイズの雨」になりました。ひどいと最初に録ったリズムパートよりノイズのほうがでかくなるとかw



2:録音した時点でミックスバランスが決定してしまうため、当然ながら後からの調整は不可能! なので、ある程度完成形を予測してアレンジやバランスを調整しながらの作業が必要。



3:間違えたら録り直しなのはもちろん、パートの差し換えなんてのは当然無理w



4:デッキ1と2の回転数が微妙にでもズレてると、重ねていくたびにピッチがズレてくるw なのでこれに対処するためにデッキ自体の調整や改造が必要だったことも・・・



などなど悪いことづくめw(爆)



こんなことを私は中学校の頃からやってましたw
でもこんな経験をしたからこそ、完成時のイメージを予測しながらのアレンジができるようになったり、ピッチのズレに敏感になったり、あとはやっぱり生録りの緊張感ってものにこだわったりするのだと思います。
さすがに今、同じ方法で曲を作ろうとは思いませんがw



でも、もし当時の音源が残ってたら、ちょっと聴いてみたい気も・・・w