お誕生日に軽い気持ちで話したことが…現実になるとは。⑤ | アドラー心理学×介護 で 目指せ‼︎!明るい介護生活!〜介護は辛いの常識にしばられていませんか?〜

アドラー心理学×介護 で 目指せ‼︎!明るい介護生活!〜介護は辛いの常識にしばられていませんか?〜

アルツハイマー型認知症の母を自宅で介護中!
介護に活かすアドラー心理学などをお伝えしてます。

「じゃぁどうします?」
看護婦さんから声をかけられたが
何をどうする?と聞かれているのか
ピンとこなかった。
「え?」

「寝巻きどうします?レンタルします?
オムツも…?」

「持ってきたらいいのですよね。
今日は無理かもしれないけど…
紙オムツは家に山ほどあります。」

「ごめんなさいね、紙オムツは持ち込み禁止なんですよ。あ、すごい失禁で洋服ビチョビチョ。」

母を見ると
シーツまで染みるほどの
尿量。

「あぁ、もうレンタルでお願いします。」

「はーい、じゃお着替えしましょう!」

なんで紙オムツ持ち込み禁止なんだ。
しばらくはタオルと寝巻きもしかたないか
計算すると1日に1500円はかかる。
途中からはタオルとパジャマは持って来よう。

「あれ?いや?ごめんねぇ、さぁ、着替えましょう。
あれ?抵抗するのね。」

どうも、着替えを嫌がっている様子だ。
言葉が出ないだけで
実は全部わかっているのかもしれないな。

着替えが終わり
やっと母の横に座る。

ちょうど病院の夕食の時間になり
ベッドの準備が済まないらしく
しばらく待つことになった。

名前を読んでも
反応はない。
でも、さっきより瞬きが多い気がする。

この状態が
どんな形でよくなるのか?

このまま生きるって
どんなことなのか?

涙が出た。
意思の疎通ができないとはいえ
この前までは
言葉を話し
笑顔も見せていた母。

もう、そんな姿すら
見られなくなるのかな。

もっと
素直に向き合っておけばよかった。
もっと
伝えておけばよかった。
聞きたいこともたくさんあるのに。

人生って
突然やってくることが多い。
でも、それって
実は、みんなすでに知っていること。

だから
突然きているわけじゃない。
ただ、動いていないだけ。

誰だって
明日目が覚めるとは限らない
明日があるとは限らない。

それなのに、自分だけは
自分の周りだけは
大丈夫とどこかで思っている。

コロナについても
同じような状況だ。

早めに動こう。
この時期だから
家族で伝えあっていこう。
話し合っておこう。
私の伝えあいノートも
早速全部埋めておこう。

なんて考えていると…

「もう入院病棟に上がれますよ」と
看護婦さんから
声をかけられた。

エレベーターで上に上がる。
「こんな時期なので面会はできないんです、ごめんなさいね。」

「大丈夫です。」

医療現場も大変だなぁ。

と思いながら
母の顔をもう一度見て別れた。

母のお誕生日に
軽い気持ちで話したことが
現実になるなんて…。

いえに帰り着くと
いつも介護相談会に来てくれる
ダブルケア(介護と子育て)で頑張っている方から
連絡があったのだが
それがまたまた驚きの内容で…
あれこれ連絡しているうちに
私の長い1日が
終わった。

なんだか眠れなくて
YouTubeやDVDをぼんやりながめる。
あぁ、好きなことがある
応援したい人がいるって
幸せなことだ。

気がつくと
空が明るくなっていた。


彼らのデビュー日が今日で
6周年を迎えたお祝いの日。
いろんな意味で
忘れられない日になりそうだ。